2019年6月20日(木)

アップル32%増益、iPhoneX横ばいも単価上昇 4~6月
サービスや「ウォッチ」も市場予想上回る

2018/8/1 6:01 (2018/8/1 13:26更新)
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【シリコンバレー=佐藤浩実】米アップルが31日発表した4~6月期決算は純利益が前年同期比32%増の115億1900万ドル(1兆2880億円)、売上高が同17%増の532億6500万ドルだった。いずれも4~6月期として過去最高だった。スマートフォン(スマホ)「iPhone」の販売台数は横ばいだったが、単価の高い「X(テン)」の売れ行きが底堅く、好調な業績を維持した。

アップルの収益を押し上げたスマートフォン「iPhoneX」(7月31日、ニューヨーク)=共同

アップルの収益を押し上げたスマートフォン「iPhoneX」(7月31日、ニューヨーク)=共同

スマホの需要は停滞期を迎えているが、販売単価を2割近く引き上げて6四半期連続の増収増益を確保した。腕時計型端末などスマホ以外の製品やアプリ販売の手数料収入も市場予想を上回り、アップルの株価は時間外取引で急上昇した。

iPhoneの販売台数は前年比で微増の4130万台だった。アップルにとって秋の新製品発表を控えた4~6月期は1年でもっとも販売が落ち込む時期だが、市場予想を50万台ほど割り込んだ。

一方で、平均単価は前年同期(606ドル)より19.5%高い724ドルとなり、市場予想(693ドル)も大幅に上回った。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は「(旗艦機種の)iPhoneX(テン)やiPhone8、8プラスが一緒に成長している」と強調。スマホ部門の売上高が2割の大幅減となった前日のサムスン電子の決算を受けて懸念する向きもあったが、ブランド力の強さを見せつけた。

ただ、米調査会社のIDCによる4~6月期の出荷台数のシェアでは、韓国サムスン電子(20.9%)、中国の華為技術(ファーウェイ、15.8%)に次ぐ3位(12.1%)に後退した。サムスンとアップルの2トップ体制が崩れるのは7年ぶり。ファーウェイが40.9%増と大幅に台数を伸ばし、アップルを抜いた。

アップル決算で市場予想を上回る成長が目立ったのは、「サービス」や「その他」といった複数の製品やサービスが混ざった部門だ。

iPhone以外も好調だった(ニューヨークのアップルストア)=AP

iPhone以外も好調だった(ニューヨークのアップルストア)=AP

1~3月期に初めて90億ドルを突破し、株式市場にポジティブ・サプライズをもたらしたサービス部門。4~6月期も31%増の95億4800万ドルとなり、過去最高を更新した。4割近くがアプリ販売所「アップストア」の手数料収入とみられるが、7月までに米国の有料会員数でスウェーデンのスポティファイを抜いた音楽配信「アップルミュージック」なども押し上げに寄与した。サービスの売り上げ構成比は18%に達した。

クック氏はサービスについて「すべての地域で2けた成長をしている」と説明。「現状のサービスのほか、幾つかの新しいサービスのパイプラインを用意している」と話し、19年にも始める動画やニュースの月額課金型サービスについて意欲を示した。クック氏はかねて収益性の高いサービス関連の売り上げを2020年に年500億ドル規模にすると表明しており「順調に進んでいる」という。

売り上げベースで最も伸び率が高かったのが腕時計型端末の「アップルウォッチ」やイヤホンの「エアポッズ」といった「その他」に含まれる商品群だ。その他部門は37%増の37億4000万ドル。米調査会社カナリスによればウォッチの販売台数が350万台と前年同期と比べて3割増えており、その他部門をけん引した。アップルの収益の柱が広がっていることを表している。

地域別では、すべての地域で前年比プラスを確保した。米中の貿易摩擦などで売れ行きに関心が集まっていた中国向けは19%増の95億5100万ドル。4四半期連続で前年を上回った。

アップルは年間売上高の約2割が中国向けで、iPhoneの最終組み立て拠点は中国に集中している。クック氏は貿易摩擦やそれに伴う追加関税について「関税は消費者の負担を増やし、経済成長を停滞させる」と指摘。「未来を予測することはできないが、(両国がこの事態を)乗り切ることはできると楽観視している」との持論を展開した。

株式市場の関心はiPhoneやウォッチ、マックブックなどの新製品が発売される9月以降に向かっている。アップルが31日に公表した7~9月期の売上高見通しは600億~620億ドル。下限でも前年実績を14%上回る見込みとなり、日本の部品メーカーなどでも下期の業績に対する楽観論が広がり始めている。

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