2019年5月21日(火)

リビングを4世帯がシェア LIXILの戸建て住宅

2018/7/31 19:23
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LIXIL傘下のLIXIL住宅研究所(東京・江東)は31日、4世帯が同居できる戸建て住宅を発表した。家族が集まるリビングを中心に、4つの寝室がある内装が特徴。室内には風呂場が3つ、各部屋にトイレがあるなど、大人数でも住みやすいように工夫している。まずモデルハウスを建て、2019年内の販売開始を目指す。

LIXIL住宅研究所が発表した多世帯戸建て住宅「五世代」のリビングダイニング(埼玉県越谷市)

LIXIL住宅研究所が発表した多世帯戸建て住宅「五世代」(埼玉県越谷市)

埼玉県越谷市に建てられた多世帯住宅「五世代」は木造2階建てで、9人が住むことを想定している。延べ床面積が約213平方メートルで、外構工事を含めた工期は17年12月から18年5月の約4カ月。施工はLIXIL住宅研究所が提携する工務店が請け負った。建物の総工費は約8700万円。

住宅内には「ユニット」と呼ばれる居室が4つあり、それぞれに「20~40歳」「40~60歳」「60~80歳」「80~100歳」の夫婦が住むことを想定している。働き盛りの40~50代夫婦が住むことを想定した居室の隣にはワーキングスペースを用意し、各世代の特性に合った内装設計になっている。

居住者の運動不足を解消する内装になっていることも特徴の1つだ。通常、高齢者が住むことを想定している戸建てでは段差をなるべくなくした内装にするが「五世代」では、あえて階段などの段差を多く作った。「80~100歳」の夫婦が暮らすことを想定した部屋では、階段を上がらないと寝室に行けない仕組みにし、健康寿命を延ばせる工夫をしている。

高齢者だけでなく、子どもが室内で運動できる内装にしている。2階に上がる階段下にうんていを設置し、懸垂などの運動ができるように工夫した。2階にある子ども部屋の天井部分にはプロジェクターがあり、楽しく取り組める運動プログラムの映像が流れる。室外には約85平方メートルの庭もあり、子どもが動き回れるスペースを十分に確保している。

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の技術も活用している。LIXILが開発した「Life Assist(ライフ・アシスト)」を完備し、外出時もスマートフォンを通して室内の家電の遠隔操作が可能に。鏡に顔を映すだけで心拍数などを測定できる技術も導入し、将来的には鏡に映ったアニメーションのキャラクターが居住者に対して健康に関するアドバイスをできるようにしていくという。

都内で開かれた記者発表会で、LIXIL住宅研究所の今城幸社長は「将来的には平均寿命が100歳近くまで伸びる。地方都市ではすでに2世帯以上が同居する戸建て住宅が増えている」と話した。

日本では核家族化が進み、結婚など人生の転機に応じて新しい家に住み替えることが一般的だったが、建築費の高騰などで新築で戸建てを建てる需要は減りつつある。複数世帯が同居しやすい内装設計の住宅を提案することで、住宅の建て替えなどを検討している消費者を取り込みたい考えだという。

「転居などで居住者がいなくなっても居室にはバス・トイレ付きのため賃貸や民泊用にも応用できる」(今社長)ことも強みで、工費100万円以内で用途変更のリフォームができるという。

「五世代」は19年内に商用化する予定。モデルハウスの仕様だと4世帯分の戸建て住宅を個別に建てる場合に比べて割高になるが、LIXILグループのキッチンなどの住宅設備を導入することで、総工費を1000万円以上下げられるよう住宅の仕様を改良していくという。また、狭い土地が多い首都圏でも建てられるように敷地面積100平方メートルの住宅提案を用意し、1棟5000万円台での販売したい考え。20年3月までに200棟を販売し、売り上げ100億円を目指す。

(高木雄一郎)

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