2019年6月19日(水)

株、好決算も下落目立つ 増益ペースが鈍化

2018/7/31 20:30
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上場企業の2018年4~6月期決算発表がピークを迎えた。直近では好業績を発表した企業でも発表後に株価の下落が目立っている。貿易戦争などを受け投資家の間には景気減速への警戒感が強まっている。増収増益を確保してもその伸び率が小さかったり、市場の期待に届かなかったりする決算は悲観的に受け止められている。

川崎重工業は31日の午前11時30分、4~6月期の連結経常利益が前年同期比57%増えたと発表した。ただ好決算にもかかわらず後場に株価は急落。終値は3%安だった。

同社のように、好業績でも株価が下げる事例が目立つ。象徴的なのが26日に決算発表した東京エレクトロンだ。4~6月期の経常利益は752億円と36%増えたが翌日の株価は下げた。市場の期待値(コンセンサス)が831億円と高かっただけに、失望売りが出た。三菱自動車日立ハイテクノロジーズカルビーなども好決算の発表後に株価が下落している。

決算発表後に投資家が弱気になるのはなぜか。企業業績がピークアウトしているとの見方が出ているのが原因だ。

岡三証券の集計では4~6月期決算を開示した東証1部企業の経常増益率は4%。伸び率は四半期ベースで1年半ぶりの低水準にとどまる。

増益の勢いが鈍化すると、これから先の好材料を期待しにくいことから株価は軟調になりやすい。この傾向は時価総額の高い企業が多いファクトリーオートメーション(FA)関連銘柄で顕著だ。4~6月の経常利益が9%増えたファナックは、中国向け受注の減少が嫌気され発表翌日に4%下げた。産業用機械メーカーに対しては、中国の景気減速の影響がどの程度出ているかが市場の注目点になっている。

同じくFA関連の三菱電機も税引き前利益がコンセンサスを2割下回った。同社の4~6月は減益決算となり、下げに拍車がかかった。あるファンドの日本株運用担当者は「FA関連の中で相対的に好調だった部品を手がけるTDKを買い増し、同業の株を少しずつ売った」と明かす。

一方で独自の事業モデルをもつ企業は株価も底堅い。ヤクルト本社は4~6月期の経常利益が前年同期比5%増とゆるやかな伸びだったが、市場予想を上回ったことが好感された。値上げした中国で販売を伸ばすなど、製品力が好感されている。カプコンも「モンスターハンター」や「ストリートファイター」など競争力の高いコンテンツの販売が好調。決算翌日に株価は7%上昇した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の渡辺篤氏は「企業の情報管理の厳格化などを背景に、決算発表後に株価が大きく反応しやすくなっている」と話す。予期せぬ材料による急落にも注意が必要だ。フィデリティ投信の福田理弘インベストメント・ディレクターは「米国の保護主義台頭の悪影響が見通せず、企業から強気の見通しを聞くことも難しい地合いだ」とみている。

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