ハイボール サントリーの牙城に挑むアサヒ、キリン

2018/8/1 11:30
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NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

酒類各社が相次いでウイスキーをソーダで割るハイボールで攻勢をかける。アサヒビールは取引先の飲食店にハーブなどを漬け込んだハイボールを提案する。キリンビールは6年ぶりに缶ハイボールに再参入する。酒類市場が振るわないなか、ウイスキーは順調に伸びている。各社はシェアの過半を握るサントリースピリッツの牙城を切り崩すために知恵を絞る。

 アサヒビールは東京・六本木に7月上旬までの期間限定でハイボールの新たな飲み方を楽しめるバー「ブラックニッカ ジャーハイBAR」をオープンした。

アサヒビールは東京・六本木に7月上旬までの期間限定でハイボールの新たな飲み方を楽しめるバー「ブラックニッカ ジャーハイBAR」をオープンした。

アサヒビールは、主力ウイスキー「ブラックニッカ」を使ってハイボールの新たな飲み方を提案する飲食店を全国に広げる。新たな飲み方を楽しめる場をつくり、顧客開拓に役立てる。

6月には東京・六本木に7月上旬までの期間限定のバー「ブラックニッカ ジャーハイBAR」を開いた。ハーブやスパイスなどを漬け込み、オリジナルの容器で楽しむハイボールを提供した。閉店後は、同社と取引のある都内の飲食店で取り扱いを始め、10月以降に全国の店に広げる。家庭向けでは缶ハイボール「淡麗辛口ハイボール」をコンビニエンスストア限定で売り出した。

 キリンはスコッチウイスキー「ホワイトホース」を使って缶ハイボールに再参入する。

キリンはスコッチウイスキー「ホワイトホース」を使って缶ハイボールに再参入する。

缶ハイボールに再参入したのがキリン。提携する英蒸留酒大手ディアジオのスコッチウイスキー「ホワイトホース」を使った缶ハイボールを7月10日に発売した。2012年まで「KIRIN 白ハイボール」などを展開してきたが、販売は終えている。缶ハイボール再参入は6年ぶり。

ホワイトホースは国内のスコッチウイスキーのシェアで首位を握っている。ホワイトホースの缶ハイボールでシェアを争奪を狙う。18年の販売で約45万ケース(1ケースは6リットル換算)をめざす。

サッポロビールもラム酒で有名な酒類大手バカルディのスコッチ「デュワーズ」の販売を伸ばす。同商品を使ったハイボールはバーテンダーの支持も獲得しており、飲食店の取り扱いを広げているという。18年にブランド合計の販売で、前年に比べて20%の上積みをめざす。

迎え撃つサントリースピリッツは、グループの米蒸留酒大手ビームサントリー(旧ビーム)でバーボン「ジムビーム」を増産する。米ケンタッキー州にある同社の蒸留所で日本向けの生産量を7~8月に前年同期に比べて約2割上積みする。

ジムビームの国内販売では17年に73万ケース(1ケースは8.4リットル換算)で、18年に81万ケース以上をめざす。81万ケースを超えれば日本での輸入ウイスキーの販売で英蒸留酒大手ディアジオが手掛けるスコッチ「ジョニーウォーカー」を超えて過去最大規模となる。

国内ではウイスキーは古くさいイメージなどもあって1980年代以降、市場縮小が続いてきた。そんななか、サントリーが2008年、「角瓶」を使ったハイボールを広める販促活動を開始。若い世代を取り込み、市場の活性化に成功した。国内のウイスキーの課税済み出荷量(国産と輸入品の合計)は、17年に約16万キロリットルと前年に比べて1割程度拡大。08年からは2倍以上伸びている。

ハイボールが市場に浸透するに伴って、消費者のウイスキーに対する好みも多様化している。

日本でのウイスキー需要は伝統的に宴会などが集中する冬に最盛期を迎えていた。しかし昨今のハイボールの普及で夏に需要が拡大する傾向も強まってきた。

シェア獲得に向けて、現在、ハイボールの中心となっている国産やバーボン以外の商品や新たな飲み方を提案する動きは活発になりそうだ。(企業報道部 新沼大)

[日経産業新聞 2018年8月1日付]

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