求人倍率、愛知で11年ぶり2倍超え 岐阜は26年ぶり

2018/7/31 20:20
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堅調な景気を背景に、中部の人手不足が一段と厳しくなっている。愛知県では6月の有効求人倍率が2.00倍と、約11年ぶりに節目の2倍台を突破。岐阜県の新規求人倍率は統計を取り始めた1963年以降で最高の3.15倍になった。三重県も全国平均より労働需給が逼迫している。企業は生産ラインの省力化や中長期的な人材育成など対策を急いでいる。

愛知労働局が31日発表した6月の有効求人倍率は4カ月連続で上昇し、リーマン・ショック前の好況期だった2007年7月以来、2倍台に乗せた。公共職業安定所(ハローワーク)で求職者数に対して2倍の求人数があることを示している。愛知では製造業の新規求人が旺盛で、業種別では全体の3割を自動車など輸送用機器関連が占める。

岐阜県は新規求人の増加で有効求人倍率が2.08倍と、25年10カ月ぶりの高水準になり、全国で東京、福井、広島に次ぐ4位。愛知は5位だった。全国平均は1.62倍で、三重県も1.75倍と、と平均を上回った。

企業の対策も目先の人材確保から、長期的な人材育成や福利厚生の充実、早期の正社員登用などに移ってきた。

名古屋鉄道グループのバス会社、岐阜乗合自動車(岐阜バス、岐阜市)は約500人の運転士が在籍しているが、なお2割不足している。さらに深刻になれば運行サービスに影響が出かねない。

6月までは運転士の中途採用者に「祝い金」として20万円を支払っていたが「30~40代を確保しにくい」として7月から大型2種免許の取得費用約40万~50万円を全額負担する内容に拡充。契約社員で入っても免許取得後は正社員に転換し、3年間勤めれば取得費用を返還しなくて済むようにした。

生産ラインの省力化を進めるのがホシザキだ。本社工場(愛知県豊明市)では冷蔵庫の生産ラインに24時間稼働するロボットの導入を始めた。これまでは作業員が機械を使って操作していたが、ロボットに置き換えると従業員3人分の負担を減らせるという。

敷島製パンは7月、刈谷工場(愛知県刈谷市)内に保育施設を新設した。生後2カ月から小学校入学前まで預かり、子育て中の社員やパートが職場に復帰しやすいようにしている。

中京大の内田俊宏客員教授は「企業は様々なニーズに合った労働環境を整えることが大事。働き方を多様化すれば、幅広い人材をつなぎ留めることができる」と指摘している。(高橋耕平)

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