2018年12月15日(土)

海賊版サイト撲滅、SNSで呼びかけ 出版32社が連合

2018/8/1 0:00
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出版業界が漫画の海賊版サイトの撲滅に向けた対策で結束を強めている。出版9団体で構成する業界団体の出版広報センターは1日、32社のSNS(交流サイト)を通して読者に海賊版サイトを利用しないように呼びかける。各社の代表的な漫画キャラクターが共演する異例のイメージ画像を作り、出版事業をゆるがす海賊版サイトの撲滅に挑む。

各社連合のキャラクターが海賊版サイトを利用しないように呼びかける

1日の午後2時から32社の約300のツイッターアカウントから呼びかける。小学館の「名探偵コナン」、講談社の「七つの大罪」、集英社の「ONE PIECE」、KADOKAWAの「文豪ストレイドッグス」といった人気キャラクターのイメージ画像やロゴを送る。告知用のホームページも作成し、海賊版サイトの存在が出版文化を壊すこと、海賊版サイトを利用することでウイルス感染などセキュリティー上の危険があることなどを説明する。

9月中には読者が海賊版サイトと正規版サイトを見分けることができるようにするための「正規版マーク」の作成も目指す。マークは正規の電子書店サイトに提示する。国内外でマークの商標登録をする手続きも進めており、海賊版サイトが勝手にマークを使用した場合には商標権侵害で訴えられるようにする。

出版各社は、海賊版サイトに削除を要請するなど対策を繰り返してきたが、依然として海賊版サイトの被害は拡大している。中高生など若年層に海賊版サイト利用の誤った認識が広がりつつあることから、訴求に踏み切った。出版広報センターでは3月に海賊版対策の専用チームを結成し、若年層への啓発活動の方法を議論してきた。

これまでも小学館や講談社は6月から漫画雑誌上で海賊版サイトを利用しないように訴える広告を独自に掲載してきた。各社の施策だけにとどまらず、海賊版への危機感の高さが業界全体の取り組みを加速させた。海賊版サイトの「漫画村」が広がった2017年8月以降には「電子書店で漫画の売れ行きが2割ほど落ちた」という見方もある。

全国出版協会・出版科学研究所(東京・新宿)によると17年の漫画市場は、4330億円で前年比2.8%減。電子漫画は1747億円で前年比17.2%増となったものの、海賊版サイトの影響で前年と比べると伸び率は鈍化した。

政府は4月に海賊版サイトに対するブロッキングによる緊急対策をする方針を掲げた。これを受けて政府は6月から海賊版サイトへの具体的な対応策を議論する有識者会議を立ち上げた。法制度の改正を含む検討を進め、9月までに中間報告書をまとめる。

(企業報道部 松元英樹)

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