2019年7月21日(日)

「チーム萬斎」始動 2020年へ、復興・共生掲げ

2018/7/30 23:22
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東京五輪・パラリンピックの象徴となる開会式、閉会式の演出は、狂言師の野村萬斎さんら日本を代表する8人のエンターテイナーに託された。「平和」「復興」「共生」などのコンセプトの下、2年後にどんな式典が披露されるのか。「世界の人々が被災地に足を運ぶきっかけに」「パラスポーツにも関心を」。早速、関係者からは期待の声が上がった。

▼8人が総合演出

8人は2017年12月から式典コンセプト検討メンバー。大会組織委員会は8人の検討内容を評価し、横滑りで演出を担うことになった。総監督は置かずにチーム制で検討する。組織委の御手洗冨士夫名誉会長は記者会見で「具体的な演出の検討にそれぞれが秀でた力を持った人ばかり」と期待を込めた。

4つの式典を総合統括するのは狂言師の野村萬斎さん。人間国宝の祖父・故六世野村万蔵と父・万作に師事。映画「陰陽師」で主演を果たし、NHK・Eテレの子供向け番組「にほんごであそぼ」にレギュラー出演するなど、伝統芸能の枠にとどまらない多方面で才能を発揮してきた。

音楽家の椎名林檎さんや人気女性グループ「Perfume」の振り付けを担当するMIKIKOさんらは、2016年リオデジャネイロ五輪の閉会式でも企画演出を担当。「五輪旗」が引き継がれる場面で、「マリオ」にふんした安倍晋三首相を登場させ、コンピューターグラフィックス(CG)を駆使したショーで世界の人々の心をつかんだ。

▼「復興」「共生」期待

オリ・パラそれぞれの開閉会式という4つの式典は起承転結の一連の4部作として構成するとされ、「平和」「復興」「共生」など8つの基本コンセプトが掲げられた。

重度障害者のためのパラ正式種目「ボッチャ」の普及を進める日本ボッチャ協会強化指導部長の村上光輝さん(43)は「コンセプトに共生が入ったのはうれしい。閉会式で終わらずに、それをきっかけにパラスポーツへの興味、関心が広がってくれれば」と望む。

「震災の時は世界中から応援をもらった。我々からも感謝を伝える機会にしたい」。南三陸ホテル観洋(宮城県南三陸町)女将の阿部憲子さん(56)は「復興」のテーマを歓迎する。「海外から来た人に聞かれたときに自分の言葉で答えられるよう、大会までに被災地に足を運んで現状を見てほしい」と訴えた。

▼点火の演出は?

開閉会式の注目度は陸上や水泳など人気種目にも劣らず、ロンドン五輪の開会式は米国だけで約4千万人が視聴したとされる。

東京五輪開会式で青空に自衛隊機が描いた五輪マーク(1964年10月10日)

東京五輪開会式で青空に自衛隊機が描いた五輪マーク(1964年10月10日)

1964年東京大会では、航空自衛隊のアクロバット飛行隊「ブルーインパルス」が空に描いた5つの輪が見せ場に。ロンドン五輪では、エリザベス女王が映画「007」の主人公のエスコートで登場する演出が話題になった。リオ五輪では、ブラジルの移民の歴史が再現され、日本移民を表現するダンサーも登場した。

五輪開会式のクライマックスとなる聖火台への点火の演出は、過去の大会でも厳しいかん口令を敷くトップシークレットとされてきた。92年のバルセロナ大会ではアーチェリー選手が火矢を放って点火し、強い印象を残した。

早稲田大の原田宗彦教授(スポーツマネジメント)は「日本ブランドを世界に発信する大きな機会。東京五輪でも世界の度肝を抜く面白さが求められる」と期待。「災害からの復興や日本の『神秘性』のほか、第2次世界大戦や原爆など重いテーマを見せながら仕上げてほしい」と話した。

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