2018年12月13日(木)

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選手は歓迎? フィギュアスケートのルール変更

2018/7/30 21:53
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国際スケート連盟(ISU)は今季、フィギュアスケートの新採点システム導入以降、最大のルール改正を行う。出来栄え点を7段階から11段階評価に細分化、難度の高いジャンプを跳ぶリスクが高くなる。昨季までと違う方向への転換を、現場は歓迎しているようだ。

宇野は4回転を確率の高い3種類に集中する方針だ=共同

「細かい分析は必要だが、まずハレルヤ(ありがたいの意)と言いたい」と喜んだのは平昌五輪金メダリスト羽生結弦のコーチ、ブライアン・オーサー氏。「ジャンプ、スピン、ステップ全てをバランスよくこなしてこそフィギュア。僕らの考え方に近くなったと思う」と話す。

これまでは転倒しても、基礎点が高い高難度ジャンプに挑んだ方が有利なことが多々あった。おかげで男子は「4回転ジャンプ繚乱(りょうらん)」と言える時代を迎えたが、負の側面も目立ち始めていた。

精度が低いジャンプを無理して跳び、ミスが増えてプログラムが破綻する。飛距離などで迫力を欠く部分を「手を上げながら跳ぶ」といった小技で補い得点を稼ぐ――。スケート本来の美しさを損ないかねない現状に、選手からも疑問の声があり、ファン離れが危惧されていた。審判からは長年「どんなに素晴らしくても3点しか出せない」という嘆き節も出ていた。

数年間の試行錯誤を経ての改正は、「質のいいものによりよい点を出そう、というのが趣旨」と、ISU技術委員の岡部由起子さん。11段階へと評価の幅を広げ、ジャンプの基礎点を大きく下げることで、きれいに決めるとより高得点につながる一方、失敗した際の減点幅は広がった。個性的な表現を競うコレオシークエンスは基礎点を上げ、高い評価を得れば3回転ジャンプ並みの点がもらえる。

「4回転ルッツとサルコーなどとの基礎点差が縮まり、難度の高いジャンプにトライするインセンティブは下がったと思う」というのはネーサン・チェン(米国)。4回転ジャンプを5種類跳び、昨季世界選手権では4回転を6度も跳んで優勝した。しかし、今季のフリーはトランジションを多用、持ち前の表現力を前面に出している。

「基本的に自信があって跳びやすいジャンプを跳べばよく、完成度が低いジャンプをしなくていい。表現により集中できる。よりクリアな演技を目指す」と話す。昨季は時に無謀に思えるほど難しい構成をしてきた宇野昌磨も、4回転は確率の高い3種類に集中する方針だ。「より質のいいジャンプを成功させることが大事」という。

ただ、宇野ら超トップ級以外にとって厳しい改正のよう。質が低いと得点が伸びない上、男子はフリーの演技時間が短くなる。プログラムの密度が濃くなり、「4回転とか難しいジャンプの助走時間が短くなった感じ。体力的にかなりきつい」(田中刑事)という感想をもらす選手が多い。

ISUのテストイベントでは、7段階評価でも11段階でも「順位は大きく変わらなかった。ただ、ジャンプで失敗するとかなり点に差は出た」(岡部さん)。しかし、実際のところは試合にならないと分からない。

トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)や4回転の挑戦者がやっと出てきた女子は再び、挑戦を封印するのか。4回転ジャンプはないが、滑りがきれいな男子が上位に食い込めるか。戦い方の変化は、12月のグランプリファイナル(カナダ)の頃には見えてくるだろう。(原真子)

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