静岡家具3社、車シート生地で椅子 ホンダの知財活用

静岡県内の家具3社が8月から、ホンダの自動車シート向けの高機能生地を使った椅子を相次ぎ発売する。アレルギーなどを起こす原因物質の活動を抑える薬剤をしみ込ませた特殊な生地で、スギ花粉やダニによるアレルギーや、インフルエンザウイルスの感染を抑える効果が期待できるという。県産業振興財団(静岡市)の技術仲介により実現した。
バルバーニ(袋井市)は8月から座面の高さを調整できる椅子を売り出す。松永工房(静岡市)も9月にドレッサー用チェアを発売。イスヤ工芸(浜松市)は10月から折り畳み椅子と子供用椅子を販売する。いずれも、ホンダの軽自動車「N-BOX」のシートに使われる生地を活用した。
財団は県内中小企業が大企業の知的財産を生かせるよう、仲介に力を入れる。今回はシート向け生地の加工技術を開発したホンダが特許の有効活用を財団に持ちかけた。特許は積水マテリアルソリューションズ(東京・中央)、TBカワシマ(滋賀県愛荘町)と共同保有。家具への生地供給はシートと同様、TBカワシマが手がける。