2018年10月23日(火)

東京五輪へサマータイム論 暑さ対策に腐心 官房長官は慎重

政治
2018/7/30 18:30
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2020年東京五輪・パラリンピックの暑さ対策のため、全国一律で時間を早める「サマータイム」の導入論が出ている。大会組織委員会の森喜朗会長が27日に安倍晋三首相に提案したが、菅義偉官房長官は30日の記者会見で慎重な考えを示した。五輪の競技時間を気温が比較的低い早朝にずらせるが、混乱を招く可能性もある。

サマータイムは日照時間の長い夏の一定期間、時刻を1~2時間早める制度だ。欧米などで導入例が多い。

森氏が27日、首相官邸に首相を訪ねた際に提案した。森氏は今夏の猛暑に触れ「来年、再来年に今のような状況になっているとスポーツを進めるのは非常に難しい」と指摘。「続くなら東京五輪の大きなレガシー(遺産)になる」と語った。首相は「一つの解決策かもしれない」と応じたという。

20年7月下旬に開幕する東京五輪は、マラソンのスタート時間を当初計画より30分早めて午前7時にした。日本の記録的な猛暑を受け、欧米メディアは開催時期への疑問やさらなる対策の必要性を報道していた。

菅氏は30日の記者会見で「一つの提案として受け止めるが、日常生活に大きな影響がある」と強調。暑さ対策として「競技の開始時間の前倒し、沿道の緑化や路面の温度上昇を抑制する舗装の取り組みを進めている」とも説明した。

サマータイムを導入すれば、競技時間は実質的に前倒しになる。猛暑の時間帯より前になれば、選手や観客の負担は減り、省エネや温暖化ガスの削減効果も期待できる。一方で夏時間に切り替わる際にはコンピューターのプログラムや航空・鉄道のダイヤ変更が必要で、混乱が生じる懸念もある。森氏は五輪後も「レガシー」として定着させる考えを示したが、もし五輪の年だけ実施すれば、さらに混乱が大きくコストも膨らみそうだ。

日本では1948年から短期間、実施例がある。この時は「労働時間が増えた」と不評を買い、51年で終了した。1990年代以降、政府や超党派の議員連盟が導入を目指して議論してきた。2008年には福田康夫内閣が前向きな姿勢を示し、超党派の議連が法案をまとめたが提出は見送られた。民主党政権でも東日本大震災後の11年に節電策で浮上したが、立ち消えになった。

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