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ヤクルト小川、直球に威力 右肘手術から復活

2018/7/31 6:30
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エースが力強く戦列に戻ってきた。疲労骨折して昨年10月に右肘の手術に踏み切ったヤクルトの小川泰弘(28)が5月に復帰。3戦目となった5月27日のDeNA戦で今季初勝利を挙げてから安定した内容でチームを支えている。

6月の月間MVPを受賞した小川=共同

6月の月間MVPを受賞した小川=共同

6月は完全復活を印象づけた。4試合全てで6イニング以上を投げ、いずれも2失点以下の安定感。3勝無敗、防御率1.08の堂々たる成績で、自身2度目の月間MVPを獲得した。チームを初の交流戦勝率1位に引き上げる立役者の一人となった。7月も好調を維持し、24日には6安打を浴びながら七回途中2失点でまとめる粘りで2016年から続く自身の巨人戦の連勝を6に伸ばした。

球数制限を設けて実戦感覚を取り戻していく中で自信を深めるきっかけになったのが、6月10日のオリックス戦だったという。雨が降る、集中力を保つのが難しい状況で走者を背負っても要所を締めた。「気持ちを切らさず強気で打者に向かっていけた」。復帰後初めて7回を投げ、97球で被安打4、失点1(自責0)。今季の復帰初戦は四回途中までで70球だったから"燃費"も良かった。

以前に比べて球速表示は落ちているが、それだけでは測れない威力が直球にあり、だからこそ、カットボールやチェンジアップが生きる。「そこは武器だと思う」。100球以上を投げるスタミナも戻り、左足を高く上げて171センチの体を大きく見せる投球フォームは躍動感が出てきた印象だ。

「やるべきことを継続」し復活へ道筋

睡眠や食事、体調管理に気を使っていることを好調の要因に挙げる。練習でもネットスローでフォームを固め、試合後もケアを欠かさない。「やるべきことを継続できていることが大きい」。日ごろの積み重ねが復活への道筋をつくった。

独特の大きな投球フォームも戻り、躍動感が出てきた=共同

独特の大きな投球フォームも戻り、躍動感が出てきた=共同

球団ワーストの96敗を喫した昨季は小川にとっても苦しいシーズンだった。16勝を挙げて最多勝と新人王をダブル受賞した2013年以来、一貫して先発を担っていたが、左内腹斜筋の肉離れで離脱した影響もあり中継ぎで戦線に復帰。ブルペンを支えていた秋吉亮が故障するチーム事情もあって、直後の7月上旬には抑えを任された。が、初登板で1イニング6失点を喫するなど役割を果たせず低迷するチームの救世主になれなかった。その後先発に再転向したものの、今度は右肘骨折が判明。不完全燃焼のままシーズンを終えた。

7カ月を要したリハビリは「以前のように投げられるのか」という怖さとの戦いでもあった。本人も「初めての手術で不安もあってどうなるかと思った」と打ち明ける。それでも焦らずに、段階を踏んで一歩ずつ前進してきた。「冬に走り込んだトレーニングの成果も出たと思う」。最近の活躍を見れば苦しい2軍暮らしも無駄ではなかったことがわかる。

交流戦後に一時沈みかけたチームは再び2位にまで浮上し、首位広島を必死で追いかける。先発陣が決して豊富ではないことを考えると勝ち星が計算できるエースにかかる負担はさらに大きくなりそう。「今まで通り自分の投球を続けてチームに勢いを与えたい。最後までケガなく支え続ける」。再起を懸ける本人も、その覚悟はできている。

(渡辺岳史)

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