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注目の日銀、どう動く海外マネー

2018/7/30 9:48
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これほど日銀の金融政策決定会合が世界の市場の注目を集めることは極めて珍しい。

しかし、日銀の次の一手に関する想定には、かなり温度差を感じる。

日本市場では金融政策の微調整が議論されるが、欧米市場では、ずばり日銀テーパリング(量的緩和縮小)が先走り気味に意識されている。

トレーダーのレベルになると、日銀のイールドカーブコントロールに関する知識も危うい。日本についてコメントできるほどの知見を持つトレーダーは、NY市場で無作為に抽出すれば決して多くはない。外電の見出しに日銀テーパリングという単語が躍ると、短絡的に、いよいよ日銀も出口に動くか、との連想で円買いに走る。

それゆえ、せいぜい金融政策の微調整という結果が伝わると、円高圧力は弱まりそうだ。米国内総生産(GDP)の4%超えなど米国経済絶好調を背景に、NY市場ではドル買いエネルギーが円買いエネルギーをはるかにしのぐ。

ただし、日銀への注目度は「高止まり」の様相だ。

欧米中銀が量的緩和の終了・縮小に動くなかで、今や量的・質的緩和政策全開の日本は過剰流動性の輸出国となっている。長期金利を直接的に抑え込む異例のイールドカーブコントロールも、世界の金利上昇を抑えるアンカー役を果たしている。日銀なかりせば、欧米国債利回りはもっと上がっていたであろう。過剰流動性に支えられるNY株も今より低い水準となった可能性がある。「サンキュー、ミスター・クロダ」。NYヘッジファンドの本音とみた。

この日銀アンカーが本格的に弱まり、世界金利に持続的上昇圧力をかけるのは来年となりそうだ。2019年には1ドル=100円程度の円高も覚悟せねばなるまい。日銀金融政策決定会合が常に注目されそうだ。NYの大手投資銀行では、即製日銀ウオッチャーが出現しつつある。

なお、日本株に関して最大の注目はやはり日銀によるETF購入の出口だ。日経平均の日銀プレミアムは4000円程度、などと語られる。ETF購入なかりせば、現水準より4000円は低かったはず、との推論だ。日経平均からTOPIXへの移行、購入対象銘柄入れ替え程度であれば、大きなサプライズはない。

しかし、日銀が保有する日本株25兆円相当の出口は? とNYで聞かれると、筆者も明確な回答に窮する。2019年にかけて日本株が避けては通れない疑問であろう。ミスターアベの3選より、ミスタークロダの発言に市場は身構えている。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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