ドワンゴ、ブイチューバーに「投げ銭」
カドカワ傘下のドワンゴは27日、仮想空間で3次元(3D)キャラクターに有料ギフトを贈る機能「Vギフト」を開始すると発表した。同社の動画サイト「niconico(ニコニコ)」の関連サービス「バーチャルキャスト」上で展開する。VR(仮想現実)を次の成長を加速する主軸の技術と位置づけ、海外展開も視野に入れる。
バーチャルキャストは仮想空間でユーザーがCG(コンピューターグラフィックス)で描かれたキャラクターを演じることで、生放送の番組配信や別のキャラクターとの対話ができるサービス。VR用のゴーグルを装着し、手に持ったコントローラーで腕の動きを伝える。
3Dキャラクターは「バーチャルユーチューバー」あるいは「ブイチューバー」と呼ばれ、アニメのように動かせる。新機能を使うと、生放送の視聴者がブイチューバーに有料ギフトを送信できる。ギフトには「花束」「くす玉」「さいころ」などさまざまな種類があり、ブイチューバーがギフトを手に持ったり、投げたりできる。
Vギフトでブイチューバーと視聴者との対話を活性化し、番組の魅力を高める。誰でも簡単にブイチューバーになれるようにする取り組みも加速する。VR開発のシス(東京・千代田)やS-court(エスコート、東京・豊島)が開発する3Dキャラクター作成ツールを8月からバーチャルキャストと連携できるようにする。
これまでドワンゴと共同でバーチャルキャストを開発してきたインフィニットループ(札幌市)と合弁会社の設立も発表した。VR機器が浸透している中国を中心に海外展開も目指す。ニコニコ責任者でドワンゴ取締役の栗田穣崇氏は「VRはこれから主軸の一つにしていく。2ケタ億円の売り上げ規模を目指す」と意気込みを見せた。
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