2019年5月22日(水)

ジンバブエ、安定か、混乱か、30日に大統領選
ムガベ氏独裁後で初 国造りの形を問う

2018/7/27 16:58
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【カイロ=飛田雅則】アフリカ南部のジンバブエで30日、大統領選の投開票がある。約37年間の統治で独裁体制が批判されたムガベ前大統領が2017年11月に辞任してから初めて。ムガベ氏に第一副大統領を解任された後、軍部の後押しで大統領に就いたエマーソン・ムナンガグワ氏(75)と最大野党、民主変革運動(MDC)のネルソン・チャミサ議長(40)との事実上の一騎打ちだ。

チャミサ氏=AP

ムナンガグワ氏=AP

欧米諸国は選挙の公正な実施を求めている。そのうえで金、ダイヤモンドなど豊富な天然資源を生かして経済再建ができるかどうかが、新政権の大きな課題になる。

ムガベ氏を引き継いだムナンガグワ氏の任期は8月21日まで。大統領選はムナンガグワ氏の任期満了に伴う。最近の世論調査で支持率はムナンガグワ氏が40%、チャミサ氏が37%で接戦だ。

選挙戦でムナンガグワ氏は「団結して国を再建しよう」と訴える。1980年の独立前の黒人解放運動に加わり、中国で軍事訓練を受けた。独立時から首相、大統領として独裁を続けたムガベ氏の側近だった。80年代に反ムガベ派の約2万人が虐殺された事件への関与も取り沙汰される。

ムナンガグワ氏は欧州連合(EU)の選挙監視団を受け入れる。自由で公正な選挙を演出し、外資を誘致する狙いだ。

一方、チャミサ氏は弁護士で「登録された有権者に死亡者が含まれるなど不正がある」と、今回の大統領選にも不正があると指摘。有権者の4割強を占める35歳以下の世代に向け、政府の腐敗一掃を訴えて選挙戦を展開。9割とされる失業率をみて、雇用対策の強化を主張している。

同氏は追い上げるがMDCは一枚岩でない。2月に前党首が死亡すると路線の違いで内部対立に陥った。軍はムナンガグワ氏を支持しており、チャミサ氏有利に転じれば当選阻止のため介入する可能性が残されている。

ジンバブエは英国から独立。ムガベ政権は白人の農地の強制収用や人権抑圧で欧米諸国の反発を招き、外国からの投資が減退した。ムガベ政権は裏付けのないまま紙幣を増刷し、08年には2億%を超える大幅なインフレを引き起こした。国民の支持を失い、後継者を巡りムガベ氏と対立した軍は17年、事実上のクーデターで同氏を失脚させた。

いまでは自国通貨を廃止し米ドルなどが流通する。投資低迷で天然資源の開発が進まない。かつて「アフリカの穀倉庫」とも評された豊富な農業生産国の面影もない。

同国に待ち受けているのは安定か、混乱か。将来を決める選挙は間近に迫っている。

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