超軽量ドライヤー・パン専用包丁…ネット発の一芸ギア
クラウドファンディングはニッチ商品の宝庫

iPhoneより軽いドライヤー、潰さずにパンが切れる包丁、指紋認証式の南京錠……。少し割高だが、量産品にはない個性が魅力。クラウドファンディングは便利な超ニッチ商品の宝庫だ。その中から日経トレンディ編集部が選んだ8製品を紹介する。
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バッグに入れるのはかさばって嫌だが、宿泊先のドライヤーは風量不足でなかなか髪が乾かない。そんな出張族のジレンマは、「SLYPH」(イーグルツリー、カルペディエム)が解決する。何とiPhoneより軽い約150g。最大風速19m/秒は短髪さえなびくほどで、気になる風量も申し分ない。
風温調節は4段階。髪の湿度を検知し、自動で温度を下げるモードも備える。ハンドバッグにも入る軽さだが、コードが少しかさばった。


運転中にナビを確認したら、前方不注意で間一髪──。そんな経験のあるドライバーには、ダッシュボードに取り付けるカーグッズ「Hudly Wireless」(Hudly)が福音をもたらす。スマホと接続し、カーナビアプリなどの画面を投映する仕組み。最大の特徴が透明のディスプレイで、背景が透けて見えるため、前方から目線を切らなくて済む。台座部分が360度傾くため、ボンネットの形を選ばない。


「ステリシュー・プラス」(ビッグブルー)は、特殊な光で靴内を除菌する「洗濯家電」。15分、靴に差しておくだけの手軽さが魅力。手間も時間も省けるため、共働き家庭など、多忙なビジネスパーソンは特に重宝しそうだ。スニーカーなど一般的な形であれば20cm以上に広く対応し、家族で兼用しやすい。海外ではすでに10万台以上を販売。


日用品では、料理好き必見の2つの包丁に注目。波刃が特徴の「曜 bianco パン切り包丁 230mm」(ヤクセル)は、柔らかい表面にも鋭い刃がスムーズに入り、パンを潰すことなく切れる。
実際にフランスパンを切ってみたが、難なく切れ、パンくずもあまり出なかった。切れ味が良いため、野菜などが入ったサンドイッチもきれいに具ごとで切れた。


「サカナイフ」(TAPP)は魚を下ろすのに特化した包丁。魚の腹に、下ろすときの目印となる線を付けるための刃先や、骨ごと切るための硬い波刃など、各手順に最適な形状を1丁に集約している。実際に使ってみたところ、普段料理をしない記者でも、難なくアジを3枚に下ろせた。


「BIOMETLOCK」(LOTUS JAPAN)は指紋認証式の南京錠。解錠はフックを一度上から押して、指先を押し当てるだけと手軽だ。鍵をなくす心配がないほか、最大30人を同時登録でき、例えば1つのロッカーを複数人でシェアする際に活用できる。屋外でも使える防水性能を備える。約1万円と南京錠としては高価だが、「購入の動機は実用目的より、誰かに自慢したいからとの声を多く聞く」(同社)といい、ガジェット好きの熱視線をにわかに集めている。


「Suede SMART BAND」はスエード(革)製のスマホリング。柔らかい素材を使っており、長時間はめても指が痛くなりにくい。指を通すための穴は3つあり、好みに合わせた持ち方が可能。ひもの長さも調節でき、指先にフィットさせやすかった。


「movook」は動画と音楽が再生できる、7インチの画面を備えたアルバム型のギフト。過去の映像や写真、メッセージなどを使って自ら作った動画を、本体に保存する仕組み。麻布のカバーのタイプも用意する。


(注)「Hudly Wireless」は、公式サイトから299米ドルで購入可能。日本円表記は、1ドル110円で計算
[日経トレンディ 2018年8月号の記事を再構成]
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