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業績ニュース

日産自動車、値引き抜け出せず 4~6月最終14%減
米販売の苦戦続く

2018/7/26 20:30
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日産自動車が主力の米国市場で販売減速に苦しんでいる。値引きに頼った売り方から抜け出せず、販売代理店に渡す販売奨励金(インセンティブ)が高止まりする。トヨタ自動車などライバルに比べて値引きへの依存度は高く、収益の足を引っ張る。米国による自動車輸入関税の発動もくすぶるなか、新型車の発売をテコに下期に北米市場で巻き返せるか。先行きは不透明だ。

26日発表した2018年4~6月期連結決算は、純利益が前年同期比14%減の1158億円。研究開発が増えたことなどにより、国内利益が悪化したのが主因だ。日産にとって、それと並ぶ誤算が米国の販売不振だ。

4~6月の世界販売台数は3%減の131万台。国内は完成検査の影響で1%減だった一方、米国は9%減の36.5万台だった。北米の利益は495億円と3%減った。「やはり販売奨励金がかさんだ」。日産の田川丈二常務執行役員は記者会見で、こう語った。

米国での月次の奨励金に日産の苦境が浮かぶ。今年4月は値引きの原資となる奨励金を1台当たりで前月比18%減の3100ドルに減らした。

だが、期待した改善効果は出なかった。値引き縮小で客足は遠のき、4月の販売は前年同月比28%減となった。日産社内に衝撃が走り、5月からは再び奨励金を増やした。これが4~6月期の業績悪化につながった。

最近まで米国はドル箱市場だった。日産の北米利益は09年3月期を底に改善し、16年3月期の営業利益は約4000億円と全体の5割を稼いだ。市場環境は良好で、奨励金に頼って1台当たり利益が減っても台数増でカバーできた。だが市場の停滞局面では奨励金はもろ刃の剣になる。

米自動車販売台数は15年から年1700万台で頭打ち。トヨタやホンダなどは奨励金を抑えて収益改善を急いだが、日産はブレーキを踏むのが遅れた。「『バーゲンハンター』と呼ばれる安売り目当ての客層から逃げられなくなった」。ナカニシ自動車産業リサーチの中西孝樹アナリストは指摘する。

日産が魅力的な新型車を投入できなかった点も響いた。車台やデザインを刷新した新型車の販売間隔は通常4年程度とされる。日産はこの期間を延ばして開発費を抑えたために、販売不振につながった面がある。

日産の西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)は「米国の収益が一時的に悪くなっても販売の質を高め、年度後半は米国の収益性を立て直す」と話す。18年秋には主力車種「アルティマ」で6年ぶりのフルモデルチェンジに踏み切る予定だ。

上期中に販売奨励金を徐々に引き下げて値引きを抑制しながら、モデル末期の現行車の在庫を一掃する――。今後はこんな難路も控える。日産全体が値引きの悪循環から抜け出せなければ、新型車でも一定の奨励金を付けざるを得ない。

値引き脱却を急がなければならない理由はもうひとつある。米自動車関税への対応だ。

日産は昨年度、米国で159万台を販売した。その半分をメキシコと日本の工場から輸出した。仮に米国が自動車輸入関税を25%に上げると、多額の追加費用が発生する。米国での生産や販売戦略の転機となるため、その前に販売を正常化しておく必要がある。

さらに、日産は43%出資する仏ルノーと資本提携の枠組み見直しを進めている最中だ。日産はルノー株15%を保有するが出資比率で下回り、日産が持つルノー株には議決権がない。ルノーに資本の論理で抑え込まれずに対等な提携関係を保ってきたのは、日産がルノーを業績面で上回ってきたからだ。米国不振で業績低迷が続けば、ルノーとの交渉に影を落とす。米国事業の立て直しは日産の将来像をも左右する。

(岡田達也)

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