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保有コスト「信託報酬」に注目(投信観測所)

投資信託を選ぶ際、重視したい項目のひとつに信託報酬がある。過去18年間のファンド全体の信託報酬の推移を集計したところ(図表1)、アクティブ型では過去に大きく下がった時期があったものの、足元ではおおむね横ばいの水準が続いている。一方、インデックス型の場合には足元でもやや低下傾向が見られた。

ファンドの保有コスト「信託報酬」

信託報酬は投信を保有するための経費のようなもので、保有残高の一定率を委託会社(運用会社)と販売会社、受託会社(信託銀行)の3者にそれぞれ支払う。保有期間中は日々、基準価格から差し引かれる形で支払いが継続するのが特徴だ。

信託報酬の水準は投資方法や投資対象資産などによって異なるため、一概に料率を横並びで比較することはできない。そこで、今回はグローバル株式型を対象に、アクティブ型とインデックス型に分け、それぞれ年初から資金流入の多かった上位ファンドについて、実質信託報酬を調べてみた(図表2)。

アクティブ型の資金流入額上位には「IT」、「フィンテック」など特定分野の企業を投資対象とする、いわゆるテーマ型ファンドが並んだ。テーマ型の信託報酬は総じて平均1.5%よりも高く、首位の「モビリティ・イノベーション・ファンド」は1.7658%、2位の「グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回決算型)」は1.9008%と2%近い水準だ。積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の投資対象となる指定インデックス以外のファンドの選定基準のひとつ「実質信託報酬1.5%以下」には到達しないグローバル株式型が大半だった。

ただ、大手証券の中には「顧客本位の業務運営」を重視し、テーマ型以外の投信販売に力を入れる動きがある。9位の「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICA」のように信託報酬が低めのファンドも一部に顔を出した。

一方、インデックス型では同タイプの信託報酬平均0.5%を下回るファンドが中心で、0.1%から0.2%台のファンドも多かった。つみたてNISAにおけるインデックス型の選定基準は「0.75%以下」だが、その料率を下回ってもなお、信託報酬率の引き下げ競争が続いている。競争の過熱を指摘する声もあるが、投資初心者の裾野拡大やコスト意識の高い投資家層の支持を集める狙いなどから、運用会社が精力的に取り組んでいる面がありそうだ。

水準だけではなくリターンとの兼ね合いがポイント

ここまで信託報酬の水準を見てきたが、料率の高低のみでファンドの良しあしは決められない。投信には運用に伴うコストだけでなく、販売やアフターフォローなど一定の手間がかかるため、それらのコストが信託報酬に反映されているからだ。大切なのはパフォーマンスとの兼ね合い。支払ったコストに見合う収益を投資家にもたらしていれば、優れた運用をしているファンドと評価できるだろう。

投資家は運用成果もしっかり見極めながら、購入メリットのあるファンド選びを心掛けたい。

(QUICK資産運用研究所 大沢崇)

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