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米欧通商合意、関税ゼロの本気度探る市場

2018/7/26 10:23
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 ニューヨーク市場が引けた直後、ホワイトハウスからトランプ米大統領とユンケル欧州委員長の共同記者会見の映像が流れた。引け前から「米欧通商合意近し」との観測が材料視されダウ平均は172ドル急上昇していた。

 トランプ大統領は米欧通商交渉の目標として「関税ゼロ、非関税障壁ゼロ、補助金ゼロ」を連呼した。しかし、対象は本丸の自動車を除く産業製品だ。米欧の貿易戦争がエスカレートする最悪のシナリオは暫時回避されたが、市場にはモヤモヤ感が残る。

 米欧両サイドの見解の差は容易に埋まらない。トランプ大統領は米国CNBCとのインタビューで「ユーロを見よ。EU側は通貨安政策を採り、米国は不利な立場にある」と非難。「米国はEUとの間でこれまでに1500億ドル損している。EUはたやすくもうけて、彼らの通貨は安くなっている」と主張している。対して、1500億ドルの損失というのはモノの貿易赤字で米国経済の好調な需要を映す数字、というのが欧州側の言い分だ。

 米欧間では環大西洋貿易投資協定(TTIP)がまとまらず棚上げになっている。総論は賛成でも各論となると米欧ともに譲らないからだ。米政権が保護主義路線を強める今、トップ会談で事態が大きく進展すると考えるほど楽天的にはなれない。

 「交渉継続中に、関税を引き上げることはない」とのユンケル発言が唯一の進展といえようか。市場は米欧通商交渉の真の合意に向けた本気度を探っている。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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