日本酒ブランドを「再編」 若鶴酒造、海外売上高比率30%へ

2018/7/24 19:57
保存
共有
印刷
その他

若鶴酒造(富山県砺波市)は日本酒ブランドを再編する。海外市場に向け、「若鶴」を高級志向の顧客向けと位置づけ、商品を一新。300以上の商品を「若鶴」「苗加屋(のうかや)」「玄」の3ブランドに集約する。ラベルにローマ字をあしらった商品も発売する。分かりやすいブランド戦略で、海外市場を開拓する狙いだ。

串田社長は「海外展開を加速する」と意気込む

「若鶴をリニューアルして、フラッグシップとして生まれ変わる」。18日に開かれた同社の新製品発表会で串田茂社長は力を込めた。

9月にリニューアルする「若鶴」のラベルにはローマ字でブランド表記。常温流通ができるため、輸送も容易だ。

「若鶴」は膨らみのある味わいの大吟醸「瑤嶺(ようのみね)」と南砺市産の雄山錦を使う純米大吟醸「瑤雫(ようのしずく)」の2種類とする。価格は1.8リットル入りでそれぞれ1万1340円、6480円と高級路線を打ち出した。

若鶴酒造の販売する日本酒は、1862年の創業以来、時間の経過とともに商品数が増えてきた。搾り方や風味が異なる商品は300以上に上り、主力の「若鶴」でも10以上のサブブランドが乱立していた。「これでは消費者に分かりづらく、ブランドが育ちにくい」と判断。高級志向の「若鶴」、中価格帯の「苗加屋」、手ごろな「玄」の3ブランドに集約した。

同社によると国内の清酒(日本酒)市場は、人口減少や酒の嗜好の多様化でピーク時の3分の1の水準まで縮んだ。海外市場の拡大は喫緊の課題となっている。

同社の2017年9月期の売上高は5億9000万円で海外売上高比率は10%弱。今後は海外の日本関連の展示会に出展するなどして売り込みを強化し、早期に同比率を30%に高めたい考えだ。

9月には輸出を見据えて常温流通が可能な中価格帯「苗加屋」の商品を2種類発売する。キレのある味わいの「玲橙(れいのとう)」と、華やかな香りの余韻が残る「玲碧(れいのへき)」だ。

同社は現在、自社でオーストラリアの日本食を提供する飲食店に日本酒を出荷しているほか、国内商社を通して中国や香港、台湾に日本酒を輸出している。東南アジアでの拡販を目指し、20日にも県内で開かれた国内商社が集まる輸出向け商談会に参加した。

今後も国内外の商談会で積極的に日本酒を売り込んでいく。串田社長は「富山で作られた雄山錦を使った点を前面に押し出すなどして、競合する他の日本酒と差別化を進める」と意気込む。

(富山支局 伊地知将史)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]