2019年9月16日(月)

米国とイラン、威嚇の応酬
トランプ米大統領、「親ロ」批判を回避か

2018/7/24 16:51
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【ワシントン=中村亮】トランプ米政権がイランへの強硬姿勢を鮮明にしている。8月上旬の対イラン制裁の再開を控え、中東で影響力を増すイランから譲歩を引き出すためだ。トランプ大統領は米ロ首脳会談でのロシア接近が失策だとの批判を受けておりイラン政策で米ロ関係から世論の関心をそらす狙いもありそうだ。イランも米国への威嚇を続けており、歩み寄りの気配は乏しい。

トランプ米大統領はイランへの強硬姿勢で国内保守派の支持固めを目指す(23日、ワシントン)=AP

ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は23日、イランが米国にとって「負の行動」を取った場合に過去にほとんど経験のない代償を払うことになるとトランプ氏は考えているという声明を発表した。トランプ氏は22日夜、ツイッターでイランのロウハニ大統領に対して「米国を二度と脅してはいけない」と強く警告していた。

ロウハニ師は22日、トランプ氏のツイートに先立って「イランとの紛争はあらゆる戦争につながる」とトランプ政権をけん制。「ライオンのしっぽで遊んではいけない。後悔することになる」とも訴えた。

こうしたロウハニ師の主張を受けたトランプ氏が真っ向から反発した。

トランプ政権は8月7日、イランへの経済制裁適用を再開する。米国は5月上旬、欧米など6カ国とイランが2015年に結んだイランの核開発を抑制する合意から離脱を表明。イランが周辺国のテロ組織支援などを継続しているとして「最大の圧力を科す」(ポンペオ米国務長官)方針に転換した。イランは対抗策として原油輸送の要衝ホルムズ海峡の封鎖をちらつかせるが、トランプ氏はイランに対する強硬姿勢を改めて印象づけた。

米紙ワシントン・ポスト(電子版)は23日、トランプ氏のアドバイザーの話として、このタイミングでのイラン批判はトランプ氏の失態と評される「親ロシア政策」から関心をそらす狙いがあると指摘した。米民主党のホイヤー下院議員は「トランプ氏はロシアに対して弱々しかったのでロウハニ師には強硬だと示したかったのだろう。目くらましだ」と批判した。

トランプ氏が「米国を二度と脅してはいけない」とツイートしたのは米東部時間22日午後11時24分(日本時間23日午後0時24分)。トランプ氏が午後11時を回ってツイートするのは珍しい。イランは5月上旬以降に複数回にわたり米国を威嚇している。トランプ氏が今回、あえて反論したのはイラン批判以外にも狙いがあったといえそうだ。

米国とイランの威嚇合戦に落としどころは見えない。トランプ政権は11月の米議会中間選挙を控え、国内の保守派の支持を取り付けるため強硬姿勢を続けざるを得ない。穏健派とされるロウハニ師もイランの対米強硬派への配慮を迫られる。

ロシアや中国が、米国とイランの仲介役を果たすシナリオも考えにくい。イランは現時点では核合意にとどまる方針を示しているが米国の経済制裁が再開し、イラン経済が打撃を受ければ核合意の維持は不透明になる。

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