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スポーツの産業化 変わり始めた「民意」
編集委員 北川和徳

2018/7/25 6:30
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「スポーツの産業化」という言葉に、われわれはどんなイメージを抱いているだろう。2020年東京五輪が酷暑の大会となるのも、競泳の決勝が午前中になるのも、五輪を産業化してビジネスの材料として扱うからである。こうした話題になると必ず「スポーツや五輪は金もうけの手段ではない」と批判する意見が登場してくる。

リオデジャネイロ五輪の男子400メートル個人メドレーで金メダルを獲得した萩野。東京五輪では競泳の決勝は午前に行われる

リオデジャネイロ五輪の男子400メートル個人メドレーで金メダルを獲得した萩野。東京五輪では競泳の決勝は午前に行われる

一方で、産業化によって得られるメリットが「お金」以外で語られることは少ない。

国際オリンピック委員会(IOC)が五輪を産業化して得た資金は、各大会の開催経費を補填し、国際競技団体(IF)や各国・地域のオリンピック委員会(NOC)に分配され、競技の普及や途上国のスポーツ振興の支援に使われている。

1984年ロサンゼルス五輪で商業主義を導入しなければ、五輪はサステナビリティー(持続可能性)を失い、衰退に向かっただろう。スポーツやアスリートの価値が今のように大きくなることもなかった。

スポーツの産業化は、そのデメリットよりずっと大きな果実をもたらすものと考えられる。スポーツが価値を高めて社会に影響力を持つには、ビジネスとしての発展が不可欠だ。だが、スポーツが教育の一環として広まったこの国では、スポーツが金もうけの手段になることに漠然とした抵抗感がある。

米国のスポーツブランド「アンダーアーマー」を日本で展開するドームの安田秀一社長(48)は今、その「民意」が変わるのを感じているという。安田氏は日本のスポーツの産業化を大きなテーマととらえ、以前から積極的に提言を続けている経営者だ。「5~6年前は僕が何を言っても聞いてもらえなかったのが、今はさまざまな形で意見を求められるようになった」

政府はスポーツ産業を成長戦略の一環として約3倍の年間15兆円規模に拡大する目標を掲げる。スポーツを地域の観光資源ととらえ、交流人口の増加や地域の活性化に活用する動きも広がる。アスリートへの注目は高まる一方だ。安田氏は「新興企業を中心に有力な経済人たちがスポーツへの投資を活発にしている」とも話す。

こうした変化は、2年後に控えた大イベントの存在を抜きには語れない。日本のスポーツを大変革するビッグチャンスを逃したくない。

(20年東京五輪開幕まであと730日)

 安田秀一氏のコラムはこちらへ。

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