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豊島逸夫の金のつぶやき

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日本国債の乱、世界に波及

2018/7/24 8:50
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「アジア時間から目が離せない」

ニューヨーク(NY)時間深夜に、トレーダーたちが頻繁にチェックを入れてくる。

日本側では、「日銀の出口いまだ遠し」との見方が一般的だが、欧米市場では、「次は日銀」との認識が根強い。明らかに温度差がある。

欧米の視点では、米連邦準備理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)と量的緩和終了に動くなかで、日銀の出遅れが目立つ。それゆえ、観測報道に市場が揺れる。日銀の指値オペという非常手段も、切迫感を強める「逆効果」となる面が指摘される。

一方、日本の視点では円高の副作用が重視され、日銀は動けないとみる。

日銀出口、政策微調整の観測報道は珍しくないが、今回は特に市場の反応が強い。23日夜は、独国債から米国債にまで波及。ベンチマークの米10年債利回りは急騰後、再び3%の大台が視野に入る。

注目すべきは米長短金利格差が拡大したことだろう。FRB政策金利との相関が強い2年債利回りより、市場が決める10年債利回りの上げ幅が大きかったからだ。世界的にゼロ金利時代が本格的に終了するなかで、金利上昇の連鎖が意識されている。

おカネを借りたら金利というコストを支払わねばならない。当たり前のことが、ゼロ金利しか知らないウォール街の若手トレーダーたちには、ショックとなる。じわりと金利の重みを実感している世代だ。

外国為替市場では、米利上げ観測というドル高要因と、日銀政策の微調整観測という円高要因がせめぎ合う様相だ。パウエルFRBをタカ派とみるヘッジファンドのなかには、年内にあと2回利上げが続き、ドル買い圧力が強まる時期が、日銀緩和政策の微調整の最後のチャンスではないかとの見方も聞かれる。2019年まで待つと、日本国内の選挙、消費増税が控え、現実的に日銀は動けなくなるという読みだ。

さらにアジア時間では、中国人民銀行と人民元からも目が離せない状況が続く。

23日は人民銀行が8兆円規模相当の流動性を民間銀行に供給するオペを実施した。民間銀行の預金準備率引き下げに続く金融緩和的措置だ。減速気味の国内経済と貿易戦争の影響に対する警戒感がにじむ。

しかし、この時期の緩和政策バイアスは、人民元安誘導と受け取られかねない危険な賭けだ。上海株式市場は素直に緩和を歓迎するが、世界の市場ははらはらしながら見守っている。

NYのトレーダーたちの寝不足はまだしばらく続きそうだ。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
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