2019年4月26日(金)

国産「H2Bロケット」7号機を公開 三菱重工

2018/7/23 18:35
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三菱重工業は23日、9月11日に打ち上げを予定する国産大型ロケット「H2B」の7号機を飛島工場(愛知県飛島村)で報道陣に公開した。コスト削減や洋上への制御落下など、将来の競争力向上に向けた工夫をしている。国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ日本の輸送機「こうのとり」7号機を載せ、種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げる。

三菱重工が9月11日に打ち上げを予定するH2Bロケットの第2段機体部分(23日、愛知県飛島村の飛島工場)

三菱重工のH2Bロケットの機体部分(23日、愛知県飛島村の飛島工場)

H2Bは打ち上げ輸送ロケットでは国内で最大の大きさだ。全長は57メートル、直径は5.2メートルで、16.5トンの打ち上げ能力をもつ。「H2A」に比べて全長で4メートル、直径で1.2メートル長く、打ち上げ能力も6.5トン重いものを打ち上げられる。

三菱重工は宇宙航空研究開発機構(JAXA)からH2Bロケットの打ち上げ輸送サービス事業を2013年8月に移管され、H2Bロケット4号機から打ち上げを担ってきた。同社によるH2Bロケットの打ち上げは4回目となる。これまでの3回の打ち上げは、すべて成功している。

H2Bロケットは設計を終えているため、新たに大きく改良できないが、可能な範囲でコスト削減の工夫をした。例えば「2段ヘリウムレギュレータ」をH2Aの適用品と同型に変えた。具体的なコスト削減額は非公表だが、三菱重工防衛・宇宙セグメント技師長の二村幸基執行役員フェローは「これだけで軽自動車1台分相当(の金額)を減らせた」と語る。

ロケットの第2段部分は、こうのとり7号機を分離後、南太平洋上への制御落下をする予定。今回初めて、第2段部が大気圏に再突入する際の空力加圧データなどを計測するためにJAXAが開発した「ロケット再突入データ取得システム」を搭載した。収集データはデブリ(宇宙ごみ)を大気圏で燃焼させるための基礎データとして使う。

具体的には、大気圏でどういう圧力を受けてモノが壊れるのか、どのような熱の上昇があるのかなどを調べる。二村氏は「再突入時のデータは、なかなか得られない。デブリ対策の基礎データとして今後の開発に役立てたい」と話す。

H2Bロケットの機体は25日に飛島工場から出荷し、海上輸送で27日に宇宙センターに搬入する予定。約40日かけて固体ロケットブースターや衛星フェアリングなどと結合し、組み立てる。

こうのとり7号機には、地上に実験サンプルなどを持ち帰れる小型回収カプセルを初めて搭載する。実験室に搭載される「実験ラック」も大型タイプが過去最大となる4台を輸送する。さらにバッテリーや食料、生活用品などのISSの運用に必要な物資も運ぶ。

(星正道)

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