北朝鮮、韓国に圧力 「終戦宣言」推進迫る

2018/7/23 17:23
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【ソウル=恩地洋介】北朝鮮が韓国への圧力を強めている。対外宣伝メディアが23日、4月の板門店宣言に基づき朝鮮戦争の「終戦宣言」を推進するよう迫った。先週来、集団脱北した女性の帰還要求や韓国政府への批判を繰り返している。米朝の非核化協議の膠着を背景に、韓国が「仲介役」を果たしていないことや、南北経済協力が足踏みしている現状への不満があるとみられる。

北朝鮮の対南宣伝用のウェブサイト「わが民族同士」は23日、休戦状態にある朝鮮戦争の終戦宣言について「残念なことに米国が最近、立場を変えて拒否しようとしている」と主張。韓国当局に向けて「終戦宣言問題を決して傍観してはならない」と訴えた。

6~7日にポンペオ米国務長官が平壌を訪れた際、北朝鮮は非核化に先立ち終戦宣言を要求し、協議は決裂した。交渉の停滞を懸念する北朝鮮が、韓国を介した米国への働きかけを強める可能性がある。

最近、北朝鮮による韓国への圧力は強まっている。20日の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、非核化の履行を求めた文在寅(ムン・ジェイン)大統領の発言を批判。翌21日には、2016年に中国から韓国に集団脱北した女性の送還を韓国当局に求め「8月に予定する離散家族の再会の前途に障害が生じかねない」と圧力をかけた。

背景は思い通りに動かない韓国への当てつけだ。北朝鮮メディアは「南朝鮮(韓国)は米国の顔色ばかりうかがい、北南関係を改善する実践措置を何もとっていない」と主張する。韓国が「非核化まで経済制裁を続ける」とする米国に同調していることに、強い不満を抱いているとみられる。

こうした北朝鮮の態度を踏まえ、韓国政府は早ければ9月にも「南北米」3者で終戦宣言する案を米国に働きかけている。韓国大統領府の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は20日に訪米し、ボルトン大統領補佐官と会談した。政府内には8月末の南北首脳会談開催を探る動きもある。

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