2018年12月11日(火)

テスラ、資金繰り不安が再燃 部品メーカーに代金返還要請

2018/7/23 20:40
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【シリコンバレー=白石武志】米電気自動車(EV)メーカー、テスラが取引先の部品メーカーなどに、支払い済みの代金の一部を返還するよう求めていることが分かった。新型EVへの投資で悪化した資金繰りを改善する狙いとみられるが、取引先のメリットは明らかではない。部品メーカーの離反を招けば、サプライチェーン(供給網)にも影響しかねない。事業継続に打撃となる可能性もある。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、テスラは取引先に先週送った書簡の中で「テスラの継続的な運営に不可欠」として、2016年以降に支払った代金の一部を返還するよう求めたという。取引先には「両者の間の長期的な成長を続けるため」とも説明しているもようだ。テスラからのコメントは得られていない。

テスラは17年7月に納車を始めた新型車「モデル3」について、工場の生産自動化などの投資が先行している。ファクトセットによると、テスラのフリーキャッシュフローは18年1~3月期まで6四半期連続で赤字が続いている。資金繰り対策の一環として、18年2月には車両リース債権を証券化する取り組みも打ち出している。

23日の米株式市場でテスラ株は取引開始から急落。一時、前週末比6%超下げた。

金融業界では増資による資金調達の必要性を指摘する声が強まっているが、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は否定的だ。約2割を保有する自らの株主価値の希薄化を嫌っているとみられ、18年1~3月期決算の説明会では資金需要を尋ねるアナリストの質問を「退屈で間抜けな質問はクールじゃない」として真剣に応じず、酷評されたこともある。

今回の取引部品メーカーへの代金返還要請は、投資家らの間でくすぶる懸念を裏付けるかたちになった。マスク氏は7月、中国・上海に年産50万台規模の新工場を建設すると発表。大胆な構想を次々と掲げるが、現実には足元の資金繰りさえままならない苦境ぶりがうかがえる。

テスラのEVにはパナソニックがリチウムイオン電池を供給しているが、同社は代金の一部返還要請について「コメントしない」としている。資金難を理由に部品メーカーに一方的に負担を強い続ければ、自らの将来構想が遠のく可能性もある。

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