2018年11月21日(水)

SNS「微信」の手ごわいライバル (The Economist)

The Economist
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2018/7/27 5:50
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中国では今、スマートフォン上で稼働する2つの著名アプリがいさかいを続けている。その様子は10代の子供がダンスで競い合っているかのようだ。

ショート動画投稿アプリ「抖音(ドウイン)」*は、自らの「微信(ウィーチャット)」アカウントからこんなメッセージを発信した。「抖音ファンの皆さん、お気の毒です」。抖音が配信する人気動画へのリンクを微信が無効にしたことを非難するものだ。

これを受け、微信を運営する騰訊控股(テンセント)は「抖音は悲劇のヒロインを気取っている」と反論。動画を見られなくしたのは内容が「不適切」だったからだと主張した。

バイトダンスはAIを利用し、抖音の個々のユーザーの好みに合わせて動画を提供する=イマジンチャイナ・AP

バイトダンスはAIを利用し、抖音の個々のユーザーの好みに合わせて動画を提供する=イマジンチャイナ・AP

テンセントは6月、抖音を運営する北京バイトダンス・テクノロジーズ(北京字節跳動科技)を相手に訴訟を起こし、テンセントを非難したことに対して賠償金1元(約17円)と、自身のプラットフォーム上での謝罪を求めた(「嫌みな表現は使わずに」ということだろう)。またテンセントは、バイトダンスが不正競争を行ったと申し立てている。

それから数時間のうちに、今度はバイトダンスがテンセントを提訴し、9000万元(約15億円)を支払うよう要求した。両者はその後、それぞれが運営するアプリ上で、相手が発する中傷をめぐって非難合戦を展開。投稿の数々を警察に届け出た。

テンセントはゲームとSNS(交流サイト)を提供する巨大企業で、昨年11月にはアジア企業として初めて時価総額を5000億ドル(約56兆円)の大台に乗せた。そのテンセントを一新興企業がここまであおるのはまれなことだ。

■ダウンロード数が世界最多に

一見したところ、微信と抖音(英語で「震える音」を意味する)は全く異なる世界に属すように思える。微信は10億人以上が利用するスーパーアプリだ。人々はこれを使ってチャットをするだけでなく、食事を注文したり寄付をしたり、光熱費を支払ったりする。

一方、抖音は15秒間の動画を連続再生するフィード。米スナップチャット、米バイン(現在は閉鎖中)、バイトダンスが11月に買収した米Musical.ly(ミュージカリー)を足して3で割ったような性格を持つ。ユーザーが撮影したビデオクリップの内容は、巧みな技を操る重慶市の製麺所から竹やぶで踊るクジャクまで多岐にわたる。投稿される動画はすべて音楽を伴う。

バイトダンスは抖音のユーザー一人ひとりに合わせた動画を提供するためにAI(人工知能)を利用しており、この点が注目を浴びている。バイトダンスは同社が運営するニュースフィード「今日頭条」でも同様にAIを利用する。

中国のデータ会社クエストモバイルによると2017年初め、ユーザーがバイトダンスのアプリに割く時間が、テンセントが提供するニュースや動画サービスに割く時間を上回り始めたという。バイトダンスは抖音と今日頭条のほか、別の動画アプリ「西瓜(シーグア)」「火山(フォーシャン)」を提供している。

Tik Tok(ティックトック。抖音の国際版。17年末に提供開始)は18年第1四半期、世界で最もダウンロードされたiPhone向けアプリとなった(ゲームを除く)。中国のSNSアプリとしては稀有(けう)な業績だ。インドネシアとタイで数多くダウンロードされている。中国では1月から5月までアプリストアのランキングで首位の座を守り通した。

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