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SPORTSデモクラシー

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「メダル数争いやめよ」アスリート起業家、五輪を斬る
ドーム社長 安田秀一氏

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2018/7/24 5:40
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ドームの安田秀一社長

ドームの安田秀一社長

NIKKEI STYLEオリパラは今月から、スポーツ界の若き論客、安田秀一氏による新コラム「SPORTSデモクラシー」を連載します。同氏は二つの顔を持っています。米スポーツブランド「アンダーアーマー」の総代理店、ドーム(東京・江東)を立ち上げた経営者が一つ。加えて、学生時代にはアメリカンフットボールの選手として活躍し、今春まで母校である法政大の総監督も務めました。ビジネスマンとアスリートの両方の視点から、自由にスポーツを論じます。初回は、開会式まであと2年の東京五輪についてです。

◇   ◇   ◇

東京五輪・パラリンピックの開幕が2年後に迫っています。率直に言って、日本の未来を左右するかもしれない大イベントを迎える準備に、いささかの不足と不安を感じております。

それでも僕は、スポーツの可能性、その圧倒的なパワーを信じています。2年後の世界のアスリートの活躍がわれわれの意識を変え、あらゆるネガティブな状況を打破して、日本の新しい未来を開いてくれると期待しています。

そう、それこそがこのコラムタイトルでもある「SPORTSデモクラシー」への大いなる期待です。世界の各地で、スポーツの魅力を駆使した改革、学校や地域、あるいは国境を超えた前向きな活動が活況を呈しています。スポーツが健康な人をつくり、人と人を結びつけ、経済を回し、教育環境を改善し、平和に対しても一定の貢献をするようになっています。僕も甚だ微力ながら、日本がスポーツを通じてより豊かな、真の民主的な国家へと成長するために、頑張っていこうと思っています。

■場当たりの準備、ビジョン見えず

そもそも東京五輪・パラリンピックは何のために開催されるのでしょう。五輪の果たすべき役割とは、そしてスポーツとは何なのか。人類の営みにおいて、スポーツはどんな意味を持つのでしょうか。

石原莞爾は著書「世界最終戦論」のなかで、平和な世界における人類の闘争心について記した

石原莞爾は著書「世界最終戦論」のなかで、平和な世界における人類の闘争心について記した

スポーツの祭典である五輪を開催するにあたって、まず考えるべきなのはそんな「ビジョン」だと思うのです。しかし、現状はまったくそうなっておらず、「ビジョン」がまるで見えないのではないでしょうか。

大会組織委員会、東京都、日本オリンピック委員会(JOC)、スポーツ庁、日本スポーツ振興センター(JSC)など、たくさんの組織が関わっていますが、そうした視点で大会の全体観を描き、説明し、責任を負う「プロデューサー」の存在が感じられません。それぞれの組織がばらばらで場当たり的に関与しているように見えます。本来なら五輪の歴史的、哲学的な意味を考え抜いたリーダーが大会を設計し、それに基づいて準備を進めていくべきでした。

人類の営みにおいて、スポーツはどんな意味を持つのでしょうか。

帝国陸軍の軍人で軍事思想家でもあった石原莞爾は、著書「世界最終戦論」で興味深いことを書いています。この論文は、東洋と西洋が最終戦争をした後で世界は一つにまとまり、その後は平和が訪れるという内容ですが、僕が興味を持ったのは、平和な世界での人類の闘争心についての記述でした。

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