2018年9月19日(水)

量子計算機のソフト研究で産学連携、実機を国内初導入

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2018/7/22 6:30
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 東北大学と東京工業大学はデンソー京セラなどと共同で、次世代の高速コンピューターと期待される量子計算機の利用研究をするコンソーシアムを2019年4月につくる。企業の会費をもとに量子計算機を東北大に導入する。物流網の最適化など用途ごとのソフトウエアの開発で、世界をリードする狙いだ。

Dウエーブ社の量子コンピューター(カナダ・バンクーバー)

 使うのは、膨大な選択肢から最適な答えを導き出す「組み合わせ最適化問題」に特化したアニーリング型と呼ばれる量子計算機。カナダのメーカー「Dウエーブ・システムズ」が製品化した。米グーグルが従来のコンピューターの1億倍高速と発表して注目を集めた。普及に向けた国際的な競争となっている。

 物流網の効率化、一人ひとりに最適なインターネット広告の配信、金融商品のリスクを抑えた組み合わせ、トレンド予測などに利用できると期待されている。ソフトウエアのバグ検出に役立つという報告もある。

 コンソーシアムは5年間の予定。デンソーと京セラが参加を決めており、最終的には約20社の参加を見込む。各社は1億円以上の会費を払う。

 導入するDウエーブの最新機種は、リース契約で数十億円になる見通しだ。量子計算機の国内への導入は初めてという。各社の用途に合わせた利用法を探る。東北大は十数社と共同研究をしており、これらの参加を見込む。

 東北大はアニーリング型の量子計算機を使う災害対策用ソフトを試作した。地図上で自分のいる場所を示すと、最適な避難経路を導き出す。計算時間は1秒かからないという。ドイツ企業と共同研究を始めた。

 東北大は現在、Dウエーブの量子計算機をクラウド経由で利用している。通信時間がかかったり利用時間が限られたりするだけでなく、使い続けると導入するよりも高コストと判断した。

 東工大からは、このタイプの量子計算機の理論を提唱した西森秀稔教授らが参加する。理論は進化しており「数年以内に人工知能(AI)である機械学習の性能向上に使えるようになる」(西森教授)。5~10年後には様々な計算ができる「ゲート型」と呼ばれる量子計算機と同じような用途まで広がるという。

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