2019年5月26日(日)

トランプ氏、利上げに不満 「好ましくない」と異例の表明 ドル高にも言及

2018/7/20 5:52
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【ニューヨーク=大塚節雄】トランプ米大統領は19日、米CNBCテレビとのインタビューで、米連邦準備理事会(FRB)の利上げを「好ましくない」と述べた。ユーロ圏の金融緩和や中国人民元の下落で「不利になる」と語り、利上げがもたらすドル高にも懸念を示した。大統領がFRBの金融政策に不満を表明するのは極めて異例で、中央銀行の独立性の観点から波紋を広げそうだ。

CNBCが単独インタビューの一部を報じた。トランプ氏は自らがFRB議長に指名したパウエル氏を「非常に良い人物を据えた」と自賛しつつも、「必ずしも(政策運営に)賛成する必要はない。彼は金利を上げている。喜ばしくはない」と利上げ路線に明確に異論を唱えた。一方で「それと同時に、私は彼らが最善だと感じることをさせたい」とも話した。

利上げの問題点を「(景気が)上向くたびに、彼らはまたやりたくなる」と指摘。「我々は経済に打ち込んでいる。それで金利が上がるのをみるのは好ましくない」と語り、減税を軸にした景気刺激への努力がそがれるとの懸念を示した。

さらに欧州の金融緩和やユーロの下落、中国人民元の大幅な下落を引き合いに「我々の通貨は上昇している。それは我々を不利な状況に置いている」として、利上げ継続を背景にしたドル高の動きに不満を表明した。

近年の米大統領はFRBの独立性に配慮し、金融政策へのあからさまな批判は避けてきた。トランプ氏は「一般市民だったら言ったであろうことを言ったまで。大統領としては言うべきではないといさめる人もいるだろうが、少しも気にしない」と「確信犯」であることを明らかにした。

CNBCによると、ホワイトハウスは同社に対して「大統領は当然、FRBの独立性を尊重している」との見解を示すとともに、「(インタビューでも)FRBの政策決定には干渉しないと話している」と強調した。その一方で「金利に関する大統領の見解はよく知られており、本日のコメントは以前からの立場の繰り返しだ」とも指摘し、利上げに不満を持っていること自体は否定しなかった。

ドル相場は上昇基調にあり、主要通貨に対する実力を示す「ドル指数(実効為替レート)」は19日午前に一時、約1年ぶりの高水準をつけたが、トランプ氏の発言直後に大きく下落した。米長期金利の指標である10年物国債利回りも一時低下した。

FRBは6月に今年2回目の利上げを決定。2016年12月から数えると6回目で、政策金利の誘導水準は1.75~2.00%に上昇した。パウエル氏は17~18日の議会証言で、米景気の強さを理由に「段階的な政策金利の引き上げが最善だ」と表明し、利上げ継続を宣言した。

トランプ氏は大統領に就く直前の17年1月に「我々の通貨は強すぎる」と表明したほか、就任後の同年4月にも「私は低金利政策がとても好きだ」と語ったこともある。最近では金融政策や為替相場への直接的な言及は控えていた。

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