フィリピン、自治体幹部の殺害相次ぐ 現政権で16人
薬物犯罪がらみか 3人は捜査当局が殺害

2018/7/19 22:14
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【マニラ=遠藤淳】フィリピンで自治体の首長・副首長の殺害が相次いでいる。7月だけで4人が死亡。地元メディアによると、ドゥテルテ政権発足後の2年強で、殺害された自治体幹部は計16人にのぼる。大半は麻薬組織などの関与が取り沙汰される。薬物捜査などの際に殺された事例が少なくとも3件含まれる。

フィリピン・タナウアン市の市長(中)はこの後、何者かに射殺された(2日)=同市提供・AP

フィリピン北部タナウアン市。2日朝、市庁舎で式典に臨んでいたハリリ市長が胸を狙撃され、死亡した。同氏は強硬な薬物捜査を進めるドゥテルテ大統領を支持。容疑者に「私は麻薬密売人」と掲げさせて町を連れ回し、物議を醸していた。

一方、政府が作成した薬物犯罪者リストにハリリ氏の名前が記載されており、犯罪組織との関係が疑われていた。ドゥテルテ氏は事件後の演説でこの件について「麻薬取引に絡んで殺されたのではないか」と語った。遺族は政府の関与を疑うが政府側は否定している。

3日には北部ジェネラルティニオ町の町長が路上で銃撃されて死亡。7日に同トレスマルティレス市の副市長、11日には南部サパサパ町の副町長が撃たれて死んだ。

ニュースサイトのラップラーによると、2016年6月のドゥテルテ大統領就任後、首長10人、副首長6人が殺された。

多くの事件ではバイクに乗った2人組が銃撃し、逃走した。同国では自治体幹部の一部が薬物犯罪に関わっているとされ、組織による口封じや報復だとの見方がある。

一方、警察など捜査当局による殺害も3件は確認された。17年7月、警察が薬物捜査で南部オザミス市の市長宅を捜索。銃撃戦になったとして市長と家族ら14人を殺害した。人権団体などは超法規的な殺人だと非難。その後、ドゥテルテ氏が「次はおまえだ」と名指した中部イロイロ市の市長は海外に逃亡した。

ロケ大統領報道官は12日「こんな事件はドゥテルテ政権の前からある」と述べ、薬物捜査を強行し続ける方針を示した。

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