仮想通貨向け半導体失速、TSMC 18年後半の見通し

2018/7/19 21:26
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【台北=伊原健作】半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家・総裁兼最高経営責任者(CEO)は19日、仮想通貨向け半導体の需要が「(2018年)後半は前半に比べ失速する」と明言した。昨年後半から急速に業績貢献が高まってきたが、価格下落で踊り場を迎える。高価格帯のスマートフォン(スマホ)向けは想定を上回るといい、米アップル「iPhone」の需要に一定の安心感が広がりそうだ。

決算会見する魏哲家・総裁兼CEO(左)と劉徳音董事長(19日午後、台北市内)

台北市内で開いた決算会見で語った。TSMCは需要予測を毎回公表し、内外のアナリストが注目する。魏氏と並ぶ経営トップ、劉徳音董事長は「仮想通貨の未来は予測不可能」と中長期の不安定性を強調した。

同日発表した18年4~6月期連結決算は、純利益が722億台湾ドル(約2660億円)と前年同期比9%増えた。仮想通貨のマイニング(採掘)には最先端の高性能半導体が使われ、昨年後半から生産を担うTSMCの収益を引き上げていた。マイニング向けはスマホ向けの弱さを補う効果を生んでいたが、7月以降は構図が変わるという。 一方、魏氏は「3カ月前はハイエンドスマホ向けを保守的にみていた」と述べ、見通しの引き上げを示唆した。7~9月期は最先端の7ナノ(ナノは10億分の1)メートル品が売上高全体の1割を占めるとした。大部分は米アップルが今秋にも発売する新型のiPhone向けとみられ、関連需要への安心感が広がる可能性がある。

ただ、18年はスマホ向けの売上高比率が昨年実績の約50%から4割強に低下する見通し。大きな伸びは想定できず、データセンターや自動車向けなど新分野の需要に期待をかけている。

一方、何麗梅・最高財務責任者(CFO)は4月に示した18年の年間の設備投資額の予想レンジを15億ドル(約1690億円)引き下げ、100億~105億ドルとすると表明した。「最先端の製造装置の支払時期が遅れる」(何氏)のが主因だとしている。

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