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中国の滴滴、ソフトバンクとタクシー配車

ソフトバンクは19日、中国の配車サービス大手滴滴出行と合弁会社を設立したと発表した。人工知能(AI)を活用したタクシー会社向けの配車プラットフォームを2018年秋から提供する。中国など世界で5億人以上が利用する滴滴のノウハウを日本のタクシー業界に生かす。効率的な配車を可能にし、都市部や地方での需要を掘り起こす。

合弁会社の社名は「DiDiモビリティジャパン」。タクシー会社に提供するプラットフォームは、事業者向けの管理システムと、運転手と利用者向けのアプリで構成される。今秋からトライアルとして無償で提供する。中国人を当面の主なターゲットにしており、トライアルは中国人観光客が多い大阪府から始める。中国でダウンロードしたアプリをそのまま使える。大阪の後は東京、京都、福岡、沖縄などに順次広げる。

日本のタクシーは都市部での利便性が評価される一方、配車に関しては古いシステムのままで需要と供給がマッチしていないケースも少なくない。世界ではライドシェアが急速に広がっているが、日本では道路運送法で「白タク」として禁止されている。ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は19日、「未来の進化を自分で止めているという危機的な状況。そんなばかな国があることが信じられない」と規制に対して異議を唱えた。

日本でのライドシェアは難しいため、各社は滴滴と同様に配車サービスにテクノロジーを生かし始めている。

日本交通のグループ会社であるジャパンタクシー(東京・千代田)は同社の配車アプリ「全国タクシー」を展開する。地域を絞らず全国でアプリを通じてタクシーを呼ぶことができ、合計の対応車両数は5万6000台に上る。全国の総車両台数の2割超を占める。

ジャパンタクシーにはトヨタ自動車が出資しており、走行データの収集・分析、タクシー向けの通信端末や配車支援システムの開発などで連携を進めていく。配車アプリや車両から得られるデータ活用を日本勢主導で展開することを狙う。

一方で対抗軸となっているのが、国際自動車(東京・港)などタクシー7社とソニーの連合だ。ソニーが持つAI技術を使ったタクシー関連サービスを手掛ける事業準備会社をこのほど設立した。配車や需要予測のサービスなどを検討する見通しで、18年度中のサービス開始を目指す。タクシー7社は東京都内を中心に1万台規模の車両を保有する。

ライドシェア世界大手の米ウーバーテクノロジーズも日本市場ではタクシー配車にかじを切る。自家用車で乗客を有料で運ぶライドシェアはタクシー業界の反対もあり、日本では認められていない。得意のライドシェアは日本で一時封印し配車アプリに注力する。

ウーバーは兵庫県の淡路島で同社のアプリを活用したタクシー配車の実証実験を始める。同社幹部は「日本の複数都市で20社以上と契約について協議している」と話す。

20年の東京五輪に向け、訪日観光客の移動の需要はさらに大きくなる。旅行者数の多い中国人になじみの深い滴滴の日本参入で、配車サービスを巡る競争はさらに激しくなりそうだ。

(企業報道部 佐竹実、志賀優一)

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