豪雨で宇和海の赤潮拡大 養殖魚死に5000万円超の被害
愛媛県によると西日本を襲った豪雨により宇和海の赤潮の範囲が拡大し新たに5119万円の漁業被害が発生した。八幡浜市や宇和島市周辺の宇和海北・中部でマダイやブリなど養殖魚4万9300尾が酸欠などにより死んだ。これにより宇和海での赤潮被害は6万2400尾、7633万円に達した。
宇和海の赤潮は高濃度の有害プランクトンにより6月中旬に中部で発生し、7月3日までにマダイやカンパチが死ぬ被害が確認された。6日からの豪雨で大量の雨水が宇和海に流れ込んだことで、赤潮が沖合や北部、南部にまで広がった。
中部沿岸部での有害プランクトンは減少しているものの、魚類養殖が盛んな西予市の三瓶湾、宇和島市の岩松湾では危険濃度を大幅に上回っている。県は弱った養殖魚の負担を最小限に抑えるため、赤潮発生海域での餌止めや出荷作業の中止を呼びかけている。
被害額は県が漁業関係者などに聞き取る形でまとめた。宇和海での大規模な赤潮被害は2015年6~9月に発生して以来。県の担当者は「赤潮は通常、8月いっぱいまで続くこともあり、引き続き注意が必要だ」としている。
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