2018年9月24日(月)

長野県内賃上げ率、18年ぶり高水準 平均1.83%

賃上げ交渉
経済
北関東・信越
2018/7/18 0:30
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 長野県が17日発表した2018年の春季賃上げ要求・妥結状況(最終報)によると、平均妥結額は前年比508円増の4508円だった。平均賃上げ率は1.83%と0.21ポイント拡大した。妥結額、賃上げ率ともに2000年以来18年ぶりの高水準だった。人手が足りない中小企業を中心に、賃上げで人材のつなぎ留めを狙っている。

長野オートメーションは賃上げで社員に報いる(長野県上田市の工場)

 調査は長野県内の民間労働組合から抽出した420組合を対象に実施、195組合から回答を得た。そのうち190組合が妥結を報告した。

 製造業全体の賃上げ率は0.19ポイント増の1.84%だった。最も賃上げ率が高かったのは食料品製造の2.67%。前年に比べて0.96ポイント拡大した。そば製麺の山本食品(長野市)は18年春、社員の給与を平均で5000円引き上げた。同社は5月に新工場を稼働させるなど事業を拡大しており、賃上げで社員をつなぎ留める。

 非製造業は0.4ポイント増の1.81%。医療・福祉系は2.61%と高く、平均妥結額は全産業で最も高い6798円だった。人手不足が深刻な医療介護分野などで従業員確保の動きが広がっている。

 規模別では300人未満が0.28ポイント増の1.81%伸びた。妥結額は4254円で、規模別の集計を始めた08年以来初めて4000円を超えた。

 システム開発のシステックス(長野市)は3年ぶりにベースアップ(ベア)を実施し、一律1000円引き上げた。定期昇給分などを含めた賃上げ率は2.11%だ。産業機械製造の長野オートメーション(上田市)は平均で5%賃上げした。「若い人を中心に引き上げた」(山浦研弥社長)

 ブレーキ製造の協和精工(高森町)は6月にベアを実施した。引き上げ率は1.4~1.5%。直近5~6年は連続で賃金を引き上げてきたが、今年は上げ幅が大きいという。省力化に伴い産業用ロボなどに搭載するブレーキの受注が好調で、業績の回復を見込む中でベアを決めた。

 300~999人の企業の賃上げ率は1.87%で、妥結額は4802円だった。1000人以上の大企業は1.84%で4934円だった。

 長野経済研究所の小沢吉則調査部長は「リーマン・ショックのトラウマでボーナスは増やしても賃上げには慎重だった中小企業などで、労働需給が逼迫するなかベアに踏み切る例が増えてきた」とみる。ただ県幹部からは「県内消費の伸びが鈍いことを考えると、賃上げはもう少し進んでほしい」といった声も出ている。

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