2019年4月22日(月)

脳腫瘍、薬使って放射線治療 国立がんセンターで治験

2018/7/17 19:44
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国立がん研究センターと量子科学技術研究開発機構は17日、放射線を出す物質を使って脳腫瘍を治療する臨床試験(治験)を始めると発表した。放射線照射の代わりに、12~30人に投与して安全性や効果を確かめ、10年後の実用化を目指す。甲状腺がん治療薬などで保険が適用され、約1万人の患者で使われているが、全て海外製で、承認されれば国内初となる。

近く始める治験で使う薬剤は、放射線医薬品と呼ばれる。放射線を出す薬剤を病巣の近くに集め、内部からがん細胞を攻撃する。脳には、脳に入り込む物質をより分ける血液脳関門があり、抗がん剤が患部に届かず効きにくい。放射線だと正常な細胞も傷つけてしまう。

治験では、量研機構・放射線医学総合研究所の藤林康久上席研究員が開発した薬剤を使う。窒素や硫黄を含む分子に、放射線を出す銅の同位体をつけた。酸素濃度が低い脳腫瘍の内部に入ると、銅を切り離し、ベータ線や電子を放出してがん細胞を殺す。

転移した脳腫瘍や再発した膠芽腫(こうがしゅ)など、抗がん剤や放射線治療の効果が薄れた患者が対象。薬剤を4回ずつ投与する。治療効果を確かめる治験も進める。

他の部位からのがんが転移したケースも含めると、国内で年に10万人を超す悪性脳腫瘍患者が出るとみられている。高齢化が進めば患者は増えると予想されており、放射線医薬品の薬剤費がかさむ恐れもある。

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