2018年11月21日(水)

神鋼データ改ざんで書類送検 警視庁、虚偽表示の疑い

2018/7/17 17:11
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神戸製鋼所による品質検査データの改ざん事件で、警視庁は17日、法人としての同社と、改ざんのあった本体3工場(製造所)の担当者4人を不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで書類送検した。合同で捜査を進める東京地検特捜部は法人を起訴する見通しで、4人の刑事処分は慎重に判断するとみられる。

神戸製鋼所の東京本社(6月、東京都品川区)

組織的な改ざんを長年放置し、日本のものづくりの信頼を損ねた企業責任を重くとらえた形だ。

書類送検容疑の対象は神鋼と、航空機向けなどのアルミや銅製品を製造する真岡(栃木県)、大安(三重県)、長府(山口県)の各製造所の品質保証室長(当時)ら4人。4人は2016~17年、事前に顧客と取り決めた仕様を満たすよう製品の検査データを改ざんして出荷し、品質を偽って表示した疑いが持たれている。

神鋼のデータ改ざん問題は17年10月以降に発覚。同社の調査報告書によると、グループ23拠点で不正が行われ、真岡製造所などでは1970年代に始まっていた。強度などの数値が顧客の要望を満たさない場合に値を書き換えたり、そもそも検査自体を実施せず数値を偽ったりしていた。5人の役員経験者や社員ら計40人以上が不正を認識したり、関与したりしていたとされる。

製造業界には顧客の求める品質に合っていなくても、性能などに問題がなければ顧客の了解を得たうえで出荷する「特別採用(トクサイ)」という慣行がある。しかし、神鋼の一部拠点では了解がないまま値を改ざんして出荷することをトクサイと呼び、黙認していた。

問題の製品は国内外の600社以上に出荷されており、出荷先には米ボーイングなども含まれ、米国の司法省も捜査している。特捜部は警視庁と合同で捜査を進め、6月に神鋼本社や3工場を家宅捜索していた。神鋼は18年5月時点で出荷先のほぼ全てで安全性を検証済みとしている。

不正競争防止法の虚偽表示は違反行為者に加えて法人の罰則規定(両罰規定)もあり、3億円以下の罰金が定められている。今後、特捜部は法人としての神鋼を起訴する一方、担当者4人の刑事処分は慎重に判断するとみられる。

同種事件としては東洋ゴム工業の免震ゴム性能偽装事件があったが、17年に法人としての子会社が起訴され、罰金1000万円の有罪となった一方で、書類送検された同社幹部らは不起訴になっている。

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