MRJ、初の飛行展示に成功 英航空ショーで披露

2018/7/16 23:27 (2018/7/17 1:17更新)
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【ファンボロー〈英南部〉=星正道】国産ジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」を開発する三菱航空機(愛知県豊山町)が欧州の空を泳いだ。16日、世界最大級の航空展示会「ファンボロー国際航空ショー」で機体を飛ばして来場者に性能をアピールする「フライトディスプレー(飛行展示)」を初めて実施、成功を収めた。

MRJは2008年に開発を始めて以降、納期を5度遅延。20年のANAホールディングスへの引き渡しに向け米国で飛行試験を続けていたが今回、飛行展示を成功させたことで顧客の信頼を取り戻し受注に弾みをつけたい考えだ。

現地時間の午後2時37分。当初予定より約10分遅れで飛行展示は始まった。

ファンボロー空港の滑走路でスタンバイしていたMRJは滑り出すように前進。第1号顧客(ローンチカスタマー)である全日本空輸(ANA)の青色の塗装を施したMRJはぐんぐんと速度を上げ、離陸した。

機体は角度をあげて急上昇すると、空港の上空で旋回を繰り返した。プラット&ホイットニー製の最新鋭のエンジンを搭載し、低燃費と低騒音が売り物のMRJ。これまでに飛行展示をした中・大型機に比べ、圧倒的な静粛さで英国の空を悠然と泳いだ。

約10分の飛行中、時折、機体を左右に揺らすなど来場者に「日の丸ジェット機」の存在感をみせつけた。MRJは無事に空港に着陸、初の飛行展示は成功裏に終わった。観覧していた米国航空機器メーカーの男性は「とても見事な飛行展示だった。MRJはこれから注目されるだろう」と語った。

飛行展示終了後、機体の前で握手する(左から)全日空の伊東常務執行役員、三菱重工の宮永社長CEO、三菱航空機の水谷社長(16日、英ファンボロー)

飛行展示終了後、機体の前で握手する(左から)全日空の伊東常務執行役員、三菱重工の宮永社長CEO、三菱航空機の水谷社長(16日、英ファンボロー)

展示終了後、三菱重工業と三菱航空機、ローンチカスタマーのANAの3社はファンボローの会場で記者会見を開いた。 三菱重工の宮永俊一社長兼最高経営責任者(CEO)は「MRJは静かで安定した飛行機と聞いていたが、それを実感できた」と笑顔で感想を述べた。「(飛行展示の成功で)さらに一歩次に進む。ホップ、ステップ、ジャンプになる」と語り、20年半ばのANAHDへの納入に向け決意を新たにした。

ANAで調達を担当する伊東裕取締役常務執行役員は「MRJの納期遅れは誠に残念だ」と述べたうえで、「小型機の退役時期を延長したり、リースで機体を調達したり、リスクヘッジをしており、(MRJの納期遅れによる)事業計画に支障はない」と説明した。

MRJの納期を控え、「MRJは国内線のキーの機材となる。主要都市を結ぶローカル線で大いに活用したい」(伊東氏)とMRJの登場を心待ちにしている様子だった。

MRJの開発の経緯や他の航空機との比較、市場規模をビジュアル入りでまとめた「MRJ、大型航空ショーデビュー ココがポイント」を読む。
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