2018年8月22日(水)

世論調査などの研究成果をデータベースに 日本学術振興会

2018/7/13 16:51
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 日本学術振興会(学振)は、国内の社会科学系の研究者による調査データの収集と共有化を始める。現在は研究者が個別に管理しており、研究成果が埋もれたり、散逸してしまったりすることも多い。データベース化で有効利用を促し、海外にも公開して国際的な共同研究につなげる。

 対象は政治学や社会学、経済学、教育学といった社会科学系の統計調査の電子データ。例えば、有権者の意識と投票行動の関係の調査、年齢別の消費行動の傾向に関する調査、世論調査などを想定する。学振は、すでに3千人を超える研究者らに所有するデータの種類や保管場所を照会した。

 学振はデータの収集・保管を担う拠点となる大学や研究機関を公募で選定する。拠点となる大学などは統計学の専門家らを配置。データを閲覧しやすい形式に整える。そのうえで学振のシステムに集約し、研究者が学振のホームページからデータを検索、入手できるようにする。5年以内の運用開始を目指すという。

 学振の取り組みに加わっている京都大の村松岐夫名誉教授によると、社会科学系の統計調査は1950年代後半に、米国で学んだ研究者らによって盛んになった。80年代には国の科学研究費が伸び、大規模な調査が多く行われるようになった。

 データは大学などが学内外の研究者から集めて蓄積する場合もあるが、研究者が自分の記録媒体に保管していることが多い。調査が盛んになった頃の研究者が大学を定年退職したり、高齢で研究活動をしなくなったりする時期に入り、データがそのまま失われる可能性が高まっているという。

 海外では欧米諸国のほか、中国、韓国などでも共有システムが整備されている。学振のシステムも多言語化などで海外研究者が利用できるようにして、共同研究を促す。学振のホームページから海外のシステムにもアクセスできるような仕組みを検討する。

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