ウォルマート撤退の日本、アマゾンはまだ開拓期

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2018/7/13 14:56
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アマゾンジャパン(東京・目黒)は13日、有料会員向けに実施する16日からの一大セール「プライムデー」を前に、羽田空港(東京・大田)などで告知イベントを始めた。同セールは有料会員獲得のために例年、最も力を入れているイベントだ。米ウォルマートが西友の売却を検討するなど外資の小売業の撤退が相次ぐ日本市場。それでもアマゾンにとってはまだ開拓期。「本気」を出すのはこれからだ。

「プライムデー」で購入できる商品を羽田空港で展示している(東京・大田)

今年で4回目となるプライムデーは世界17カ国で原則、現地時間の16日正午から開催する。期間は2017年の30時間から、36時間に延ばした。羽田空港の特設ブースでは13日、輸入ワインや仏ル・クルーゼの調理器具などの目玉商品が並べられた。事前に告知された商品のなかには、独BMWの小型多目的スポーツ車(SUV)やパナソニックの4K液晶テレビもある。イベントで登壇したジャスパー・チャン社長は「お得な商品は昨年の倍以上用意した」と自信を見せた。

今回は初めて、アマゾンに登録したクレジットカードなどで決済ができる「アマゾンペイ」を導入した企業5社もセールに加わる。JTBは世界遺産を訪れるツアー、北海道日本ハムファイターズは元プロ野球選手の稲葉篤紀氏による野球講座が付いた観戦ツアーを販売する。

■セールで囲い込み

17年のプライムデーについてアマゾンは「全世界で売上高が前年より60%以上増えた」としている。米アマゾン・ドット・コムは詳細な業績や実数の公表には消極的なことで知られるが、外部の調査機関などはその金額が24億ドル(約2600億円)に達したと見ている。単純計算で1日の平均的な売上高の5倍にあたる。購入できるのは有料の「プライム会員」だけで、アマゾンにとっては会員獲得の有力な手段だ。実際、17年のプライムデーでは1日当たりのプライム会員の獲得数が過去最高になったという。アマゾンの特売が火を付ける形で、米国では実店舗でも対抗値下げする動きが広がっている。

日本でも家電量販のビックカメラが今回のプライムデーに合わせてネット通販サイトで、一部商品の特売をする準備を進めている。詳細は明らかにしていないが、「ネット販売が盛り上がる期間で、買い逃しなどの需要を取り込む」(同社)という。

プライム会員には、無料配送や注文日に商品を届ける「当日お急ぎ便」、動画の見放題といったサービスを提供してきた。会員にならなければ「損」と言わんばかりだ。アマゾンは4月に初めて、プライム会員が全世界で1億人を超えたことを明らかにした。ただ米調査会社によると、このうち8500万人程度は米国とみられる。

無料や安価なサービスで顧客を囲い込み、徐々に有料サービスに誘導していくのがネット事業の定石。実際、アマゾンは米国で今年に入り、物流コストの上昇などを理由にプライム会員の会費を引き上げた。年払いの場合、99ドルから119ドルに。一方、日本は年3900円のままで、チャン社長は「日本ではまだすべきことがたくさんある」として、当面は据え置くことを示唆している。

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