2018年11月17日(土)

土砂・がれき、生活再建阻む 日常遠い豪雨被災地

2018/7/12 20:52
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西日本を襲った記録的豪雨の被災地は12日も土砂やがれきを撤去するなどの復旧作業が続けられた。多くの人命を奪った土砂などはいまだ住宅地に高く積もったままで、被災者の生活再建を阻んでいる。暑さや汚泥による二次被害への懸念もある。豪雨災害は13日で発生から1週間。日常の暮らしに戻る見通しは立っていない。

山下医院のグループホームでは泥のかき出し作業が続く(12日午後、広島市安佐北区)

山下医院のグループホームでは泥のかき出し作業が続く(12日午後、広島市安佐北区)

広島県熊野町の戸建て住宅が立ち並んでいた団地「大原ハイツ」には、6日の豪雨で近くの山から土砂が流れ込んだ。団地の住民3人が行方不明のままだ。

「がれきを動かします。下がってください!」。12日は自衛隊や警察官、消防隊員ら約300人以上が重機を使って土砂やがれきの運搬を繰り返した。強い日差しが照りつけ気温は30度超。粉じんが絶え間なく飛び散る。地元消防団の男性は「巨大ながれきを砕き、どかすのに長い時間がかかる。団地全体の復旧時期は見通せない」と漏らす。

住民の多くは近くの町民体育館で避難生活を送る。会社員の湊晋平さん(33)は「土砂に流された車が自宅の1階に突っ込んできた。隣近所はみな土砂にのみ込まれた」と声を震わせる。「親しかった近所の方も帰らぬ人となった。平和な団地でこんな災害が起こるなんて、いまだに信じられない」とつぶやいた。

2014年に大規模土砂災害に襲われた広島市安佐北区。区役所で約30人の職員が罹災(りさい)証明書の交付や仮住宅の申請などの窓口対応にあたっていた。

捜索活動が続く団地「大原ハイツ」(12日午後、広島県熊野町)

捜索活動が続く団地「大原ハイツ」(12日午後、広島県熊野町)

同区は14年の災害後に被災時のマニュアルを作っており、当時を経験した職員が避難所の運営に当たっている。家屋が浸水した場合の衛生対策をチラシで知らせたり、避難所にスポットクーラーや冷蔵庫、氷を配ったりしている。女性職員は「教訓を生かして必要な施策を取る」。

同区の「山下医院」は近隣の川があふれ、医院や運営する高齢者グループホーム施設の1階がすべて土砂に埋まったため一部を閉鎖中。12日は職員らが土砂をかき出す作業を続けたが、事務部長の増原隆行さん(50)は「衛生面の不安もあり、再開まで1カ月はかかるだろう。環境の変化で高齢者に負担がかかることが心配」と話していた。

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