2018年11月14日(水)

米欧、安保でも亀裂 NATO会議で米が国防費増要求

2018/7/12 19:46
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【ブリュッセル=中村亮、森本学】北大西洋条約機構(NATO)が11~12日に開いた首脳会議は、安全保障を巡る米国と欧州の同盟関係の亀裂を改めて浮き彫りにした。欧州に国防費の負担増を求めるトランプ米大統領は、通商を安保に絡め、欧州側に強い不信感が残った。第2次世界大戦後に米欧が作り、西側として旧ソ連に勝利した経済・安保の枠組みは、「米国第一」を前に大きく揺らいでいる。

首脳会議に出席したNATOのストルテンベルグ事務総長(左)とトランプ米大統領(右)(11日、ブリュッセル)=AP

首脳会議に出席したNATOのストルテンベルグ事務総長(左)とトランプ米大統領(右)(11日、ブリュッセル)=AP

「これで米国がNATOで公平に扱われるようになる」。トランプ氏は12日、会議の閉幕後に急きょ記者会見を開き、加盟国が国防支出を国内総生産(GDP)の2%に増やす目標を前倒しすることで合意し、拡大は「比較的短時間で実現できるだろう」と語った。

国防費負担の協議は11日に終えていたが、12日に各国首脳らに再度早期増額を迫ったと内幕を披露。その結果、緊急会合で合意に至ったという。「NATOを離脱するつもりはない。関与も揺らいでいない」「すばらしい2日間だった」と述べて会場を後にした。

一方、NATOのストルテンベルグ事務総長は会見で米国との結束をアピールしてみせたが、2%目標の前倒し合意の有無については明言を避けた。マクロン仏大統領とイタリアのコンテ首相は新たな目標などの合意はなかったと述べた。

両者の解釈は大きく食い違っており、国防費負担問題は今後も火種となりかねない。

トランプ氏は11日にはドイツがロシアからガスを大量輸入するパイプライン計画を批判した。欧州連合(EU)にとって公然と触れられたくない弱点で、ポーランドなどはこの計画に反対している。トランプ氏は同計画に焦点を当てて欧州分断を狙っているとの見方が浮上。米国産ガスの輸出拡大を迫る「米国第一」主義の側面も透けて見え、あらゆるカードを使って圧力をかけるトランプ流の交渉は米欧の結束に深い禍根を残した。

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