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イングランド、敗れても前途洋々の「未来」

2018/7/12 19:05
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先制のFKを決め喜ぶイングランドのトリッピアー(左)=三村幸作撮影

先制のFKを決め喜ぶイングランドのトリッピアー(左)=三村幸作撮影

 「ここまで来られたのは予想以上。チームは短期間で大きく成長してくれた」。イングランドのサウスゲート監督の顔に納得の色があった。1966年大会以来となるW杯制覇を必達の目標とは考えていなかったのだろう。これまでの発言にも、若いチームがいずれ大業をなすのに必要な「国際経験」という栄養分をここで得ておきたい、という響きがあった。

 イングランドが今大会で挙げた12得点のうち、9得点はPK3つを含むセットプレーから生まれた。クロアチア戦唯一の得点も、トリッピアーが開始5分に決めた直接FK。これをもって「流れの中から得点できない」と批判するのはあたらない。静止した球をネットにおさめるケーンやトリッピアーの決定力は否定しようのないものだ。

 そもそもFKやCK、PKを得ること自体「流れの中での優勢」を示しており、このチームの魅力はセットプレーよりも相手の反則を誘発する「スピード」にあったように思う。速さにもいろいろあるが、イングランドのそれは「ミスを恐れず、自分たちも制御不能の領域にまでパスとランのテンポを速め、相手を巻き込んで状況を動かす力」とでもいうべきもの。トランプの遊戯「スピード」を思わせる、先の読めないスリルがあった。

 ミスは織りこみ済みで、相手をペースに巻き込んだほうの勝ち。FWスターリングらを走らせる後衛のパスは、時に乱脈と呼ぶにふさわしいアバウトなものだった。そしてその「あっさり感」は、想像を超える受け手の快足と一体となり、スウェーデンや前半のクロアチアを守勢に回らせた。

 監督の頭の中には、たとえばマンチェスター・シティーが披露する魅惑のパスゲームのような「完成形」があり、今はそのための手札を集めている段階なのだろう。ジョーカーとなるのはおそらく、昨年の20歳以下、17歳以下のW杯優勝など目覚ましい成績を収めている若年層の選手たち。国際経験も豊かなソランケ(リバプール)やサンチョ(ドルトムント)といった若い才能がフル代表に昇格したとき、どんなチームになるのか。

 今回のゲームは敗れたが、卓上にはまだ伏せられたままのカードがある。

(モスクワ=阿刀田寛)

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