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「不滅の三振記録」から見える選手の実像
スポーツライター 浜田昭八

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2018/7/15 6:30
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年間の三振数よりも、わが球界では「連続打席無三振」を、三振しない打者の評価基準にする傾向がある。そこで最高記録を残しているのがイチローだ。オリックスで4度目の首位打者になった97年のことだった。4月から6月にかけて「連続216打席無三振」を記録した。135試合フル出場、607打席で36三振しただけだから、この年にイチローの三振を見た観客は、まさに「珍しいものに巡り合った」といえるだろう。

本塁打王が持つ"四球王"の顔

打席でフルスイングするソフトバンク・柳田=共同

打席でフルスイングするソフトバンク・柳田=共同

セでは阪神・藤田平が78年に208打席、吉田義男が64年に179打席連続無三振の記録を残している。2人ともボールをよく見極める、相手バッテリー泣かせの打者だった。だが、吉田によると「それが、ボクの欠点でもあった。当てるのがなまじよかったので、不調時には内野ゴロでよく併殺を食った」とのこと。

皮肉なことに、この2人がそれぞれ阪神の監督を務めたとき、主力打者に2人の"三振男"がいた。新庄剛志と桧山進次郎だ。藤田が監督だった96年は新庄106、桧山108、合わせて214三振。97年の吉田監督のもとでは新庄120、桧山150の計270三振。売り出し中の若手2人を「振れ。当てるだけではダメ」と督励した両監督だが、「三振の数だけは外国人並みだな」と嘆くようになっていた。日本人の主力打者コンビで計270三振も"不滅の珍記録"といえるだろうか。

フルスイングするスラッガーにとって、三振が多いのは"勲章"であるともみられている。最近では高校球児も「スイングしろ」と指導されている。大きく育てるために、悪いことではない。ただ、この事実を知ってほしい。868ホーマーという不滅の大記録を打ち立てた王貞治は、ただバットを振り回していたわけではない。通算2390四球を得た"四球王"でもあった。=敬称略

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