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傷だらけのクロアチア 激闘制し初の決勝

2018/7/12 11:30
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後半、イングランドのケーン(左)と激しく競り合うクロアチアのモドリッチ=三村幸作撮影

後半、イングランドのケーン(左)と激しく競り合うクロアチアのモドリッチ=三村幸作撮影

 クロアチア初の決勝進出を成し遂げた後、常に冷静なダリッチ監督が珍しくまくし立てた。

 「何人かの選手は、他の試合だったら、休むようなケガを抱えてプレーした。2人の選手は片足だけで戦った。それでも先発から外してくれ、途中で代えてくれ、なんて言ってくる選手は一人もいなかった。それが私には誇らしい――」

 開始5分で先制された焦りからか、前半の出来は良くなかった。同点にしたのは68分、ペリシッチのカンフーキックのようなシュートだった。

 ブルサリコが上げたクロスは中央のマンジュキッチを狙ったのかもしれない。その頭上を通り過ぎたとき、忍び寄るように背後で跳躍したのがペリシッチ。ウォーカーが突き出した頭にかすりでもしたら反則を採られたが、頭上のリンゴを射抜く射手の正確さでボールだけをミートした。

 このゴールで延長戦に持ち込めたものの、120分を戦うのは3試合連続とあって、戦況はクロアチア不利に思えた。実際、主将のモドリッチやいぶし銀のラキティッチにしても、パスやボールタッチに常にはない綻びを見せるように。心身はとうに限界を越えていたのだろう。

 ところが決勝点をもぎ取ったのはマンジュキッチ。ペリシッチが頭でつないだボールをDFの間を縫うように駆け抜け、得意の左足でとらえた。1得点1アシストのペリシッチは「誰が活躍したなんてどうでもいい。今日はクロアチアが勝ったことが重要なんだ」。

 2つのゴールに共通するのはどちらもクロアチアの大応援団が陣取るゴール側だったこと。正規の90分でも延長戦でも応援席に向かって攻めた後半に精彩を放った。ゴール裏のサポーターの大音量のチャント(唱和)に励まされ促され、大きな胸に飛び込むように。

 何が選手を突き動かしたのか。その問いの答えは「ラブ&ソウル」だったのかもしれない。

 30分の延長を3試合続けたということは1試合余計に戦ったのと同じ。当然代償は大きい。ペリシッチは延長戦で太もも裏を痛めたしぐさをし、モドリッチ、マンジュキッチは疲労困憊(こんぱい)の体。おまけに決勝までの日程はフランスの方が1日休みが多い。

 それでも、ここまで選手が見せた不屈の闘志、冷静さ、的確な判断に監督は全幅の信頼を置く。「決勝で最高のゲームをお見せできるように、これから準備する」と妙に自信ありげなのだ。

(モスクワ=武智幸徳)

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