2018年7月23日(月)

「学校再開いつ…」浸水・避難所設置でメド立たず 教員ら困惑

社会
2018/7/12 10:11
保存
共有
印刷
その他

 西日本を襲った記録的豪雨の被災地で、学校が再開できない状態が続いている。浸水したり被災住民らの避難所になったりして、休校のまま夏休みを迎える予定の学校もある。教員らは当面の避難所運営に追われ、学業への影響や子供の心のケアが不十分になることが懸念されている。

避難所になっている岡山県倉敷市立薗小学校(11日午後、岡山県倉敷市)

 「いつ学校が再開できるか分からないが、我々、教職員にとって地域のための避難所運営も重要な仕事」。岡山県倉敷市の薗(その)小学校の高津智子校長は、豪雨被害が発生してから休む間もない。地域の4分の1が水没した同市真備町地区にあり、一時は900人を超す住民が避難。体育館のほか、教室も開放した。

 浸水は解消し、避難者は約300人に減った。避難者を体育館だけで収容できるようになれば、教室棟を使った夏休みの補充学習やプールでの水泳などを検討する。高津校長は「夏休みの課題もどう伝えればいいのか」と気をもみつつ、「授業ができないことよりも家や家族が被害にあった子供の心の状態が心配」と話した。

 同じく避難所になっている同地区の市立岡田小学校の教員、西山保之さん(53)は「再開は校長や教頭が話し合って決めることで、今は何も聞いていない」。避難所の子供の表情は比較的明るいが「保護者が疲れてきている」と心配する。

 倉敷市教育委員会によると、市内の公立小中高校など全141校・園が10日まで休校。真備町地区以外では11日から再開したが、同地区の15校・園は避難所になっていたり浸水したりしており、19日まで休校し、20日からは夏休みに入る。

 市教委の担当者によると同地区では電話がつながりにくく、教職員による児童生徒の安否確認も思うように進まない。校舎の再建、土砂で塞がれた通学路の整備などがいつ終わるかは分からない。「水が引いたばかり。先のことは見通せない。スクールカウンセラーの派遣など今できることを一つ一つやるしかない」と話した。

 文部科学省によると、11日午後2時時点で24道府県の小中高など467校・園で床上浸水、のり面崩落といった物的被害が確認された。休校は6府県の241校。4県の75校・園が避難所になっている。愛媛県の小中10校などは休校を続け、そのまま夏休みに入る。

 同省は9日、各教委に対し、被災した児童生徒の就学機会の確保に努めるよう通知。児童生徒が避難先の公立学校へ転入を希望する場合、住民票がなくても柔軟に受け入れるよう要請した。教科書を失った児童生徒には無償で支給することも求めた。

 愛媛県教委によると、県内では既に複数の支給希望がある。教科書会社も各教委に聞き取り、必要数の把握を進めている。学校が再開するにつれ、こうした要望が増える見込みだという。

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報