2018年7月19日(木)

NATO首脳会議、国防費増額で米欧の溝埋まらず
共同宣言を採択、トランプ氏要求に配慮も

トランプ政権
ヨーロッパ
北米
2018/7/12 3:06
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 【ブリュッセル=森本学】北大西洋条約機構(NATO)は11日、ブリュッセルで開いた首脳会議で、加盟国が攻撃を受けた場合は他の加盟国が反撃する集団的自衛権について「最重要の責務だ」と明記した共同宣言を採択した。国防費の増額ではトランプ大統領が各国の国内総生産(GDP)比の4%への引き上げを要求。2%の達成を目指すとした他の主要国との立場の隔たりは埋まらなかった。

NATO首脳会議に出席したメルケル独首相(左)とトランプ米大統領(11日、ブリュッセル)=ロイター

NATO首脳会議に出席したメルケル独首相(左)とトランプ米大統領(11日、ブリュッセル)=ロイター

 首脳会議は12日まで2日間の日程で開催する。初日の協議終了後に共同宣言を公表するのは異例。トランプ氏が欧州の防衛について「すべての面倒は見ない」と発言するなど集団的自衛権を軽視する姿勢もみせるなか、結束を強調する宣言を前倒しで公表して、米欧の同盟関係の動揺を抑え込もうとした格好だ。

 共同宣言では米国を除くNATO加盟国の国防費が4年連続で増加していることを「重要な進展だ」と評価。一方で、トランプ氏の不満にも配慮して「多くの仕事がまだ残っている」と指摘。「同盟国としてのコストと責任の分担のバランスを改善すると約束する」との文言を盛り込んだ。

 対ロシア政策では軍事的脅威に対する抑止体制の強化で一致。「4つの30」と呼ぶ即応体制の強化策を採択した。機械化大隊30部隊、飛行中隊30部隊、戦闘艦30隻を30日以内に、欧州の必要な地域へ配備できる体制を整備する。

 北朝鮮を巡っては、米朝首脳会談の開催を歓迎し、朝鮮半島の「完全かつ検証可能で後戻りできない非核化」を「全面支持する」と明記。NATOの加盟国拡大では、国名を巡って30年近くギリシャと摩擦が続いていたマケドニアが新国名を「北マケドニア」に変更することで合意したのを受け、NATO加盟交渉入りを承認した。

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