「父の喜ぶ姿見える」 元受刑者遺族、地裁の再審決定に

2018/7/11 18:52 (2018/7/11 22:04更新)
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再審の扉が開かれると、遺族は亡き父を思って笑顔と涙を見せ、決定文を強く握りしめた。「今は喜びをかみしめたい」。無期懲役確定後に病死した阪原弘元受刑者の遺族が6年前に申し立てた再審請求。大津地裁前は150人を超える支援者の歓声に包まれた。

日野町事件の再審開始を認める決定をした大津地裁前で思いを語る阪原弘元受刑者の長男、弘次さん=共同

11日午後2時40分すぎ、地裁から飛び出した弁護士は「再審開始」と大きく記した旗を掲げた。「よっしゃー」。次々と歓喜の叫び声が上がり、割れんばかりの拍手が湧き起こった。長男、弘次さん(57)は安堵した表情で決定理由が記載された文書を高く掲げた。

その後、大津市で開かれた記者会見では笑顔も見せた弘次さん。かつて悔しい思いで無期懲役の判決文に向き合ったが「今は決定文を早く読みたい気持ちでいっぱい」。電話で母に再審決定を伝えると「一生懸命頑張ってくれてありがとう」と涙で声を詰まらせていたという。

ただ「生きていたら『父ちゃん、一杯飲もうか』という会話もできたかも」と複雑な心情をのぞかせる場面も。それでも「父がいない悲しみはあるが、今はこの喜びをかみしめたい」と力強く語った。

長女、美和子さん(55)も「父が喜ぶ姿が見える。それだけでうれしい」と目を赤く腫らした。

一方、元受刑者と遺族を支え続けた弁護団からは「司法がこんな過ちをするなんて許されない」と過去の裁判へ厳しい声が上がった。

伊賀興一弁護団長は、険しい表情で「真実を見抜けなかった裁判所、真実をゆがめてまで有罪判決を取ろうとした警察、検察の責任はきわめて大きい」と強調。「証拠を隠した捜査への怒りはどれほどか。犯人にされて30年、『誰が失った時間を取り戻してくれるんだ』と言うに違いない」と元受刑者を思いやった。〔共同〕

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