2018年9月23日(日)

「幻の粒子」京大など発見 予言から80年、量子計算機に応用も

科学&新技術
2018/7/12 2:00
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 京都大学や東京大学、東京工業大学のグループは11日、幻の粒子と呼ばれる「マヨラナ粒子」が存在する証拠を見つけたと発表した。この粒子は約80年前に存在が予言され、世界の科学者が発見を競ってきた。現在のスーパーコンピューターよりも桁違いに高速でエラーの少ない量子コンピューターに応用できるという。

マヨラナ粒子を実証した装置について説明する京大の笠原裕一准教授(右)

 12日付の英科学誌ネイチャー(オンライン版)に掲載された。

 物質は電子や陽子、中性子といった粒子でできており、それらには電気的な性質だけが違う「反粒子」が存在する。例えば、電子にはプラスの電気を帯びた陽電子がある。マヨラナ粒子は粒子であり反粒子でもある不思議な性質がある。1930年代にイタリアの科学者が存在を予言したが、まだ発見されていない。

 京大の笠原裕一准教授らは、塩化ルテニウムという物質に磁場をかける実験を進めた。内部の熱の伝わり方の変化を調べたところ、理論で予想される現象が起き、マヨラナ粒子が内部に出現したと結論づけた。通常の粒子としては存在せず、電子の性質が変化することで、あたかもひとつの粒子のように振る舞っていると分析している。

 マヨラナ粒子を量子コンピューターに応用できれば、計算エラーが極めて少なくなると考えられている。量子コンピューターは量子力学の「重ね合わせ現象」を利用しているが、現行技術ではこの状態を保つのが難しい。マヨラナ粒子を使えば重ね合わせの状態が安定して保てるため、実用化の課題をクリアできるとされる。

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