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大学と文科省(大機小機)

2018/7/11 17:19
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自分の息子を合格させてもらった見返りに私立の医科大学に補助金選定上の便宜を図ったとして、文部科学省の幹部が受託収賄容疑で逮捕された。もちろん、この事件そのものは個別の問題だ。しかし背景には「構造的」な問題が横たわっている。

国立大学法人運営費交付金や私立大学への助成金など、高等教育には現在、約1.5兆円の国費が投じられている。大学に渡される資金はかつて、学生数など外形標準に基づいて機械的に算定された。しかし、国立大学が独立行政法人に改組した時期から、限られた予算の配分上「競争的な資金」の比率が徐々に拡大してきた。

大学が評価され、評価に応じて好成績の大学に重点的に予算配分するという考え方自体は間違っていない。しかし、そこに深刻な副作用が生じる。

ひと口に「評価」といっても、基準はスポーツ競技のように単純ではない。何をすれば評価されるのかを一番よく知っているのは、ルールをつくる文科省だ。大学としては生き残りをかけて資金獲得に力を入れざるを得ないから、何はともあれ文科省に相談し、指南を仰ぎたい、と考えるのが自然な流れだろう。

学部・学科の新設といった大学の将来を大きく左右する事業でも、文科省の許認可は不可欠だ。大学はこぞって文科省とのパイプを求め、大学と文科省の関係はかつてないほどに密になっている。全国の国公私立大学に、いったい何人の文科省OB、現役職員が在籍しているだろうか。

かつては旧大蔵省や日銀から多数のOBが地方の金融機関に天下りしていたものだ。大蔵省・日銀と、天下りを受け入れていた金融機関との関係は、現在の文科省と大学とのそれと同じだ。金融機関への天下りは跡を絶ったが、どういうわけか文科省から大学への人の流れは実質的に、今でもフリーパスに近い。

そもそも、文科省が旗を振る「改革」はおおむね的外れではないだろうか。今回問題になった「私立大学研究ブランディング事業」は1校あたりわずか年3000万円ほどで、その効果には疑問符が付く。18歳人口の減少が分かっているのに、大学の数も大幅に増やしてきた。大学改革の前に必要なのは、高等教育行政の大改革だ。

(与次郎)

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