2018年9月22日(土)

34年前の強盗殺人事件、再審開始を決定 大津地裁

2018/7/11 14:39 (2018/7/11 17:40更新)
保存
共有
印刷
その他

 滋賀県日野町で34年前の1984年、酒店経営の女性(当時69)が殺害され、手提げ金庫が奪われた日野町事件で、強盗殺人罪で無期懲役が確定し服役中に病死した阪原弘元受刑者の遺族が申し立てた第2次再審請求審で、大津地裁(今井輝幸裁判長)は11日、再審開始を認める決定をした。

日野町事件の第2次再審請求審で、再審開始を認める決定をした大津地裁前で垂れ幕を掲げる弁護士(11日午後)=共同

 主な争点は殺害方法や自白の信用性だった。決定は「警察官から顔を殴打されるなど暴行を受け、『親戚らをガタガタにする』と脅迫された結果、自白をした疑いがある」と指摘。有罪の最大の証拠とされた自白の信用性や任意性を否定した。

 戦後に発生し、死刑・無期懲役が確定した重大事件で、元受刑者らの死亡後に遺族らが請求した「死後再審」が認められるのは初とみられる。

 殺害方法について、確定判決は自白に基づき「女性の首を後ろから絞めて殺した」と認定。これに対し弁護団は第2次再審請求審で「あおむけの女性に馬乗りになり、手で首を圧迫した」とする法医学者の鑑定を新証拠として提出し、確定判決の方法では「殺害は不可能」と訴えた。

 決定はこの鑑定を重視し「自白の方法は遺体の損傷状況と整合しない」と弁護団の主張を支持した。

 また第2次請求審では、金庫発見現場の実況見分で撮影した写真のネガが証拠開示され、弁護団の分析で、元受刑者が現場を案内する往路で撮ったとする写真に、復路の写真も混在していたことが判明した。

 決定はこのネガも新証拠と認め「警察官が意図的に断片情報を提供した可能性がある」と指摘。元受刑者が誰にも教えられず、自発的に現場を案内した状況証拠と重視した確定判決の認定は揺らいだと判断した。

 さらに決定は、有罪の根拠となった、元受刑者のアリバイを打ち消す知人らの証言も信用できないなどと認定。新旧証拠の総合評価で、確定判決に合理的な疑いが生じたと結論付けた。

 阪原元受刑者は一、二審で無期懲役の判決を受け、2000年に最高裁で確定。再審の第1次請求は大津地裁が06年に退け、大阪高裁に即時抗告中の11年に元受刑者が75歳で死亡し終結した。12年に遺族が第2次請求を申し立てた。〔共同〕

秋割実施中!日経Wプランが12月末までお得!

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報